緩衝地帯で初の協働イベント

緩衝地帯で初の協働イベント

環境省職員らが住民との協働で緩衝地帯のセイタカアワダチソウなどの外来植物を駆除した

奄美市住用町で外来種駆除
環境省

 環境省奄美群島国立公園管理事務所は8日、奄美市住用町役勝で外来種駆除イベントを開いた。集会所での講話の後に、実際に野外で同所の職員に外来植物を見分けてもらいながら駆除する活動に汗を流し自然保護意識の掲揚が図られた。

 同事務所が同市プロジェクト推進課と住用総合支所市民福祉課の協力で、住民との協働での外来種駆除を計画。同事務所の千葉康人世界自然遺産調整専門官によると、国立公園内の緩衝地帯でこうした協働イベントは初になるという。

 上役勝集会所に約20人が作業できる服装で集合。千葉さんと奄美自然学校の永江直志代表の講話があり、世界自然遺産登録に向けた取り組みや外来種が在来種に及ぼす影響などを学んだ。

 参加者は、集会所から外来植物の繁茂する国道に隣接する地点に移動。市職員からポリ袋や軍手を受け取り、道端に生い茂っているセイタカアワダチソウ(環境省カテゴリー・重点対策外来種)、ムラサキカッコウアザミ(同・その他総合対策外来種)などを根が切れないように手で引き抜き駆除を行った。

 現地は1カ月ほど前に県の委託業者が伐採作業を行っていたが、セイタカアワダチソウは繁殖力が強く50㌢前後に伸びて側溝を覆うほど復活。なかには防風林の陰で伐採されずに残っていて約1・8㍍に達するものもあり、参加者の手でしっかり引き抜かれ駆除された。

 引き抜いた外来種は土を落として、45㍑入りごみ袋に集めて回収。約1時間の作業で20袋分が駆除された。

 上役勝集落(42世帯75人)の河野京子区長(60)は「上・中・下役勝の3集落で外来種駆除活動は初めて。外来種の見分けは、実物を見せてもらい分かった。緩衝地帯に指定されたが、普段の生活は変わらないと思う。活動をできるだけ継続し、意識を少しずつ高めていければ」と話した。

 千葉さんは「重要なエリアである役勝地域での駆除活動を住民と一緒に進めて行き、これからも地域の自然を一緒に守っていきたい」と語った。