路線を大幅再編

路線を大幅再編

奄美市の委託をうけジャンボタクシーでの運行が始まったコミュニティバス(小湊線)

しまバス 空港線、瀬戸内など発着地を延伸
運賃は据え置き コミュニティバスも運行

 奄美大島一円で路線バスを運航する㈱しまバス(本社・奄美市名瀬)は1日から奄美空港線の路線変更や名瀬市街地を中心に路線が重複していた複数の系統を統合、小型車両によるコミュニティバスの運行など大幅な路線再編を行った。大型二種免許を持つ運転手不足に対応するため、利用者の少ない路線を普通二種免許で運転できる小型車両にするなど、地域公共交通の維持存続を図った。運賃は、消費増税分の加算を見送り据え置きとした。

 名瀬市街地発着だった空港線は、名瀬小宿方面と瀬戸内町古仁屋方面にルートを延伸、各ルートともに1日13往復運行することで、従来の1日25往復から26往復に、1往復増便した。名瀬市街地からは、これまで通り約30間隔での運行となっており、通学や通勤客の利用が多い早朝の2便を除き、和光トンネルを通るルートを選定、時間短縮も図った。同社は「瀬戸内町などからでも乗り継ぎなしで利用できるようになった。島内移動が円滑になり、観光客など利用者が増えることを期待している」と話した。

 名瀬市街地を中心に重複が多かった路線は、上方(大熊・浦上)、下方(小宿)、古見方(小湊)の三方面を結ぶ「幹線」に路線を集約した。上方~古見方、上方~下方を結ぶ幹線は約15分間隔、古見~下方は10分間隔での運行となっている。

 利用客が少なく、大型バスでの運行が難しい集落などを結ぶ路線はジャンボタクシー(10人乗り)を運行し、市街地などで乗り継ぐようにした。下方、古見方の両地域は、奄美市の委託を受けたコミュティバスとして運行する。

 乗り継ぎ拠点となるバス停は、▽名瀬春日町の田雲団地方面が「奄美小前」▽下方の根瀬部方面が「こしゅく第1公園(旧平松公園)」▽古見方の小湊方面が「県立大島病院前」▽笠利町赤木名方面が「赤尾木郵便局前」―の4か所。運賃は、従来運賃と同額になるように設定。乗り継ぐ場合は、最初に乗車したバスで乗車証明券(乗り継ぎ券)を受け取り、2台目のバスで提示する。

 大幅な路線再編は、慢性的な運転手不足などに対応するため。同社ダイヤ改正担当の幾田耕さんは「島内で大型二種免許が取得できない環境もあり、運転手不足は深刻な問題。高齢化も進んでおり、公共交通の維持は今後、さらに厳しくなっていく。乗り継ぎなど不便を生じる路線もあるが、路線の維持存続のためと理解してもらいたい」と話した。