ピーチ奄美大島―成田線、初便到着

ピーチ奄美大島―成田線、初便到着

奄美空港に定刻で到着したピーチ成田直行便(1日午後4時半ごろ)

成田空港からの搭乗客に客室乗務員が黒糖レイをかけて歓迎した

空港で記念セレモニー 「LCC効果の継続」期待感
井上CEO「群島振興・発展に尽くす」

 関西国際空港を拠点とする格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーション(井上慎一代表取締役CEO)は1日、奄美大島―東京(成田)線を就航させた。初便往復の搭乗率は73%、上り下り便合わせて263人が利用した。奄美初のLCCとして、地域の交流人口増に貢献したバニラ・エア社から路線を引き継ぎ、年間搭乗率8割を目指す。

 同じANAホールディングス傘下のバニラ社との統合計画で路線移管が進められ、8月31日までバニラ社が運航していた成田直行便は1カ月の空白期間を経て、ピーチブランドとして新たに就航。機材はA320―200機(180席)で1日1往復。片道運賃は5990円~となっている。

 奄美大島と成田、関空を就航していたバニラ社から路線を引き継いだ同社は、五輪を契機としたインバウンド(来日観光客)の増加機運を重視。来夏登録を目指す奄美・沖縄の世界自然遺産も迫り、世界的な観光のグローバル化の流れを受けながらLCCの強みを生かしていく考えだ。

 同日、奄美市笠利町の奄美空港で就航記念セレモニーを開催。三反園訓県知事や奄美大島島内の自治体首長、観光団体の関係者が出席した。

 井上CEOは「今後も多くの入込が予想されているタイミングでの就航を契機に、群島の振興と発展の役に立ちたい」と抱負。5月で運航終了したバニラ奄美大島―大阪(関空)線の12月26日就航開始にも触れ、安心・安全な運航とサービス提供を約束した。

 一社・あまみ大島観光物産連盟の有村修一会長は「都市圏からの入込促進に航空路線の充実は不可欠。バニラ社から引き継ぐ、“ピーチ効果”に大いに期待したい」と述べ、就航を喜んだ。

 成田空港からの到着に合わせ、客室乗務員が、到着ゲート前で搭乗客に黒糖レイと奄美を特集した広報誌入り記念バッグを手渡した。

 千葉県の仲村彩花さん(28)は友人と初来島。「以前から訪れてみたかった。滞在中はマリンレジャーやマングローブカヌーなどを楽しむ予定」と話した。

 夫と関東に帰省するため初便を予約していたという奄美市笠利町の南谷初江さん(72)は「年に複数回利用する。料金が安いLCCを待ち望んでいただけに、(就航は)うれしい」と語った。

 上り便は午後5時15分出発。出発客にも記念品が手渡され、定刻通り成田に向かった。
 
 ピーチ・アビエーション 日本初のLCCとして2012年3月に就航。「空飛ぶ電車」をコンセプトに航空運賃の低減化を図り、関西国際空港を拠点に、10月1日現在、国内19路線、国際線17路線を展開。県内は鹿児島―関空間で1日2往復就航している。