台湾クルーズツアー

台湾クルーズツアー

今年も台湾から多くのクルーズ客が訪れた(8月2日撮影、名瀬港観光船バース)

寄港4回、来島客8624人
奄美市名瀬港 経済効果約2億円試算

 台湾を発着点とした中型クルーズ船「サンプリンセス」(約7万7千㌧)の奄美大島(名瀬港)への2019年度寄港日程がこのほど、終了した。8月2日から9月13日まで寄港数は計4回に上り、乗船客合計数は8624人で、船員を合わせると延べ約1万2千人が訪れたと見られる。奄美市紬観光課はクルーズによる経済効果を約2億800万円と試算した。

 台湾を出発して同市名瀬の名瀬港観光船バースで折り返す奄美・沖縄ツアーは昨年に続き、2シーズン目となった。今年度当初は8回で予定され、その後6回に変更された。台風接近の影響で2回がキャンセルとなった。

 毎週金曜日に寄港し、1回当たり平均約2150人が訪れた。半日滞在クルーズのため宿泊はなかったが、観光や土産品の購入など1寄港当たりの経済波及効果は5200万円となった。

 客層はほぼ台湾人で、夏休みを利用した家族単位、カップルがほとんど。奄美での滞在はオプショナルツアーによる島内観光が中心でタクシーやレンタカーを利用したスポット巡りが見られた。

 同課によると、前回課題とされた通訳言語対応については、引き続き英語と中国語の地域通訳案内士を配置。市街地までのシャトルバス運行や観光案内所の場所などアナウンスを随時行うことで、案内のスムーズ化を図ったという。

 来年度のクルーズ計画は未定だが、同課は「来夏登録を目指す世界自然遺産などが迫り、インバウンド(訪日観光客)対応を重視したい」とし、2年間で培ったノウハウを活用し、受け入れ態勢の向上につなげる意向を示した。