参加型防除活動の可能性検証

外来植物のセンダングサを駆除する大正大の学生たち

大正大学生ら外来植物の駆除体験
住用町の国道沿い センダングサなど抜き取る

 奄美で観光や伝統文化などをテーマに地域実習を行っている大正大学(東京都)の学生14人が4日、奄美市住用町で、外来植物の防除活動に参加した。活動は、県自然保護課が進める参加型外来種防除活動の一環で、島外から訪れた観光客らが外来種駆除に参加する体験プログラムの実効性などを検証する目的で行われた。

 学生らは、同市役所住用支所で、外来種が野生化し定着している現状や駆除方法などを学んだ後、屋外に移動。同町役勝の国道58号線などの沿道や空き地に生えているセイタカアワダチソウやセンダングサ、アメリカハマグルマ、ムラサキカッコウアザミの4種の外来植物を約2時間かけて、根から抜き取るなどして駆除した。
国道沿いに生えている

 同大地域創生学部1年の山室あゆみさん(18)は「奄美の外来種といえばマングースなどの動物だけだと思っていたが、植物もこれほど問題になっていることを初めて知った。種類も多く、根絶するのは難しいと思うが、少しでも貴重な奄美の自然を守る手助けができたてよかった」と話した。

 県は現在、セイタカアワダチソウなど外来種6種について、植生や防除方法などをまとめた防除マニュアルを作成、県内全域で駆除対策を進めており、なかでも世界自然遺産登録を控える奄美大島などでの防除活動を強化している。

 県自然保護課は今後、学生らへの聞き取り調査などを実施、外来種駆除と観光を組み合わせた活動など、交流人口の増加に向けた可能性について検討していく計画だ。学生らと一緒に防除活動に参加した同課の羽井佐幸宏課長は「外来種の防除には、市民や民間機関などの協力が不可欠。体験型観光のプログラムとして外来種駆除を取り入れられないか検討していきたい」などと話し、世界自然遺産登録を控え、今後さらに奄美を訪れる観光客の増加が見込まれるなか、新たな取り組みの推進に意欲を示している。