奄美トレイルワークショップ

参加者は現地視察でアコウの巨木を観察した

現地歩きでアコウの巨木観察も
龍郷町 地域住民らがコース案検討

 県自然保護課は龍郷町企画観光課とともに3日、同町役場会議室などで2019年度世界自然遺産奄美トレイル第1回コース選定ワークショップを開いた。地域住民や観光業者、関係機関などから約30人が参加。県が進める奄美トレイルの龍郷町エリアのコース原案が示され、参加者が検討しコース案の修正など意見を出し合った。また専門家の講演や、現地歩きでアコウの巨木観察も行われた。

 開会で園田徳一企画観光課長があいさつ。「2日にシンポジウムがあり、来週はIUCNの現地調査が控えている。奄美トレイルにたくさんの魅力的なスポットが盛り込めるようお願いしたい」と話した。

 奄美トレイルや同町のコース原案などを、各担当者が説明。奄美トレイルでは、▽自然や人とのつながりを感じる心を育む道▽地域住民が地域に誇りを持ち、地域を元気にするきっかけとなる道▽奄美群島の島々のつながりを深める道―などを目指す。

 ワークショップでは、参加者が3グループに分かれ同町の地図に示された4コース案を検討した。グループ内で意見を出し合い、追加したいスポット(展望できる場所、寄り道したい場所、郷土料理などが近くで食べられる店)を付箋=ふせん=紙に書いて地図に貼りつけた。

 また国内外のトレイルを回っている九州自然道フォーラムの野元尚巳代表が奄美群島ならではのトレイルの魅力について講演。自身の経験から「トレイルを歩いて楽しむ人にとって、住民が笑顔を見せて触れ合うのが何よりで旅の一番の思い出になる」と話した。

 実際のコース候補地で、体験散策も実施。屋入峠近くの市理原に移動し、樹齢150年以上と推定されるアコウの巨木を観察した。

 年度中にもう一度ワークショップを経てコース選定し、来年度に奄美トレイルとして開通式などのイベントを予定している。

 なお4日までに同様のワークショップが、奄美市笠利地区と瀬戸内町加計呂麻島でも実施された。