リュウキュウスズカケ開花

開花が始まった「リュウキュウスズカケ」(西康範さん撮影)

奄美の秋、ほのかに彩る

 奄美大島が北限地だが、わずかに自生している状態にある絶滅危惧種の「リュウキュウスズカケ」。奄美大島南部の山道沿いで開花が始まっているのを西康範さんが確認し撮影した。清楚な花が奄美の秋をほのかに彩っている。

 山下弘さんの著書『奄美の絶滅危惧植物』によると、奄美大島のほか、喜界島、沖縄島に分布。ゴマノハグサ科。山地内の岩場などで見られる多年草で、花序に小さな紅紫色や白色の花を多数つけ、穂状の花は独特の存在感がある。

 茎は地をはうように広がり、長いものは1㍍に達する。山林の開発などが原因で数が減り、林道などの路肩に自生しているものでは業者の草刈りなどで刈り取られるケースもあった。環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類に分類されている。

 西さんが確認した自生地は数が少なめで、これから開花を迎えるツボミが目立ったという。倒木の置き場となっていることから、自生の環境を保つ取り組みが求められそうだ。