徳之島きび「平年作」回復傾向

降雨など気象条件で「平年作」への回復傾向を示している徳之島のサトウキビ=4日、徳之島町諸田地区

生産対策・運営企画委
面積減・危機感共有へ

 【徳之島】徳之島さとうきび生産対策本部・運営企画委員会が4日、天城町役場であった。3町の2019/20年期産生産見込みの当初予想(7月1日現在)は、昨秋の台風被害による種苗の発芽不良・茎数不足など〝後遺症〟で15万㌧台低迷が予想されていたが、生育概況報告(今月1日現在)では「平年作」への回復傾向が示された。

 関係機関・団体の各実務者の月例会。今期産の生育状況報告(南西糖業および県農業開発総合センター同島支場)=1日現在=では、3作平均(夏植え・春植え・株出し)の茎長は226・6㌢(平年比2・8%増)、茎数は89・3本(同1・1%減)。昨秋の相次ぐ台風被害が種苗にも影響し、特に春植えに関しては茎長が平年比15%減、茎数も12・4%減に。だが3作平均では「平年作」に回復している。

 気象概況の降水量は6月の平年373㍉に対して737㍉。梅雨末期の7月上旬もまとまった降雨(243㍉)があった。同月中・下旬は降雨のない状態が続いたが9月は定期的な降雨があり、同中旬は平年の2倍の116㍉の降雨―なども奏功した。

 台風13号(9月6日最大瞬間風速26・2㍍)は「生育・成熟に影響はないとみられる」。台風17号(同22日同28・3㍍)は「一部海岸線で潮害が発生しわずかに減収被害」にとどまった。

 協議では、近年のキビ面積減や自然災害、農家の高齢化による労働力不足などで生産量の安定確保が困難となっている現状を憂慮。関係機関・団体が一堂に会して危機感を共有する「さとうきび勉強会」(生産対策本部主催)を、16日午後3時からJAあまみ徳之島会館で開くことも確認した。

 ほか、メリクローン苗・一芽苗出荷実績(推進機構)、来月1日の収量見込み調査取り組み、消費税増税に伴うハーベスタ料金―などの報告もあった。