監視の目強化へ

瀬戸内署員含む6人が希少種盗掘・盗採防止夜間合同パトロールを行った(環境省奄美野生生物保護センター提供)

希少種盗掘・盗採防止夜間パト

 環境省奄美群島国立公園管理事務所と奄美大島5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会は15日夜、宇検村内の林道で希少種盗掘・盗採防止夜間合同パトロールを実施した。前回に続き瀬戸内署員も参加し、不審車両等を警戒。警察が参加することで違法行為への抑止効果が見込まれ、同事務所は関係機関と連携した取り組みで監視の目を強化する考えだ。

 同事務所と同協議会は希少動植物の盗掘・盗採の未然防止を目的に、期間を定めて合同パトロールを実施。今年7月には国立公園内の特別保護地区内で、標本目的とみられる昆虫採集トラップ10個が見つかり、中にはカミキリムシやセミなど約100匹が死んでいるのを確認。その中には条例で捕獲が禁じられているアマミシカクワガタといった固有種も含まれていた。

 警察との合同パトは今年度4回目で、同村内では2度目になる。

 この日の合同パトに宇検村職員、同事務所職員2人、瀬戸内警察署員2人の計6人が参加。約2時間半かけて林道を巡回したが、違法トラップや不審車両は発見されずに通過した車両1台に普及啓発チラシを配布した。

 千葉康人世界自然遺産調整専門官は「秋になったが生きものがアクティブな時期は続いており、今後も警察に協力していただき、引き続き現場での監視の目を強化していきたい。地域住民や関係者で一丸となって地域の自然環境を守っていきたい」とした。