潜在課題解決へ連携検討

潜在化する地域課題解決に向け、他機関との連携について意見を交わした奄美地区地域自立支援協定例会

要約筆記講座奄美開催の要望承認
自立支援協 定例会

 奄美地区地域自立支援協議会(会長・石神康郎奄美市福祉政策課長)の2019年度第2回定例会が17日、龍郷町の生涯学習センターりゅうがく館であった。「8050問題」などの地域課題解決に向けた他機関との連携について意見交換。日頃からの関係強化や、顔の見える関係づくりなどの意見があった。

 障がい支援のネットワークづくりに取り組む同協議会は奄美大島島内の自治体、サービス事業所、社会福祉団体で構成。この日は6専門部会(精神、相談支援、子ども、就労支援、地域生活)の委員や事務局など約60人が出席した。

 各部会による活動報告の後、80歳代の親と、50歳代の引きこもりの子どもの親子間で収入や介護についてのさまざまな問題が発生するようになる「8050問題」を代表例に、地域で潜在化する課題についてグループワークで検討。家族が支援を求めない場合や、問題の長期化、介入困難な事例を考慮し、課題・解決策についての意見を出し合った。

 約30分のグループワークを経て出席者らからは、「8050問題については、福祉だけでなく医師などを交え、一つの家族について話し合う必要がある。その時々だけでなく普段からの連携が求められる」、「引きこもりになってしまう前に、予備軍の段階にある子どもの頃から発見できる取り組みが必要」、「組織が大きくなると連携が取りづらくなるが、顔を合わせ、人が変わっても連携が取れるシステムを構築すべき」などの意見あった。

 事務局(ぴあリンク奄美)からは、第1回定例会(7月、大和村)で提案があった、障がいの理解・啓発のための出前授業を今年度、田検小学校(宇検村)と龍南中学校(龍郷町)で実施することが発表された。このほか同協議会と、あまみ難聴・中途失聴者協会(大野歓会長)連名の「要約筆記奉仕員養成講座奄美開催に関する要望書」を承認。今後、あまみ難聴・中途失聴者協会の承認を経て、三反園知事に提出する予定としている。