奄美のチョウがずらり

小宿中図書室に標本を展示した富川さん


標本に興味津々見入る小宿中生徒たち

奄美市名瀬・富川さん
小宿中で標本コレクション披露

 奄美市名瀬平松町在住で奄美昆虫同好会会長の富川賢一郎さん(69)が集めたチョウなどの標本コレクションを披露する展示が25日、小宿中学校図書室であった。奄美固有のチョウや世界の珍しい昆虫など、約1000種類の標本がずらり。生徒たちは富川さんの解説を受けながら、圧巻の標本に目を輝かせ見入った。

 富川さんは中学3年生のころ、転勤してきた教諭とチョウを探して島を案内するうちに、その美しさに魅せられ収集に目覚めた。以降、自身も飼育を手掛けながらチョウを探して世界を旅するなど、現在のコレクションに至った。

 展示は、同校から打診を受けて「ぜひ、子どもたちにも見せたい」と快諾。富川さんは「世界自然遺産登録も近い。本物を観ることで奄美の多様な生態系に興味を持つきっかけになれば」とお披露目を喜んだ。

 標本は、縦40×横50㌢、幅5㌢ほどのガラス板付きの木箱にぎっしりと収められ、図書室一杯にディスプレイ。奄美固有のチョウや迷蝶もほとんどが網羅され、今では採取禁止となった昆虫など、50年に渡る成果が並べられた。

 この日は、同校の学習発表会に合わせて標本を披露。休み時間には多くの生徒や保護者が詰めかけ、「すごーい」「きれい」などと声を上げ鑑賞を楽しみ、1年・東江翔輝くんは「見たことのないチョウもたくさんいて、色もきれいだった。集めてみたいと思った」と喜んだ。

 年齢を理由に富川さんは今後、管理できる設備などを条件に、標本の譲渡や寄贈も検討しているという。「できれば奄美で残したい」とも話した。