消費増税から1カ月

消費増税から1カ月

グリーンストアのキャッシュレスサービス「あまみカード」に現金をチャージする買い物客

キャッシュレス決済利用が大幅増
プレミアム商品券 奄美市は約1800人、4242万円分購入

 1日から始まった消費税増税から1カ月を迎える。軽減税率の導入やキャッシュレス決済によるポイント還元など、新しいシステムが導入され、混乱や消費の落ち込みが心配されたが、奄美市名瀬でスーパー5店舗を展開する㈱グリーンストアでは、キャッシュレスサービスとして実施している電子マネー「あまみカード」の利用が大幅に増えており、増税により心配された消費の落ち込みなどの影響は今のところないという。奄美市では、増税による消費の落ち込みを防ぐため導入されたプレミアム商品券を購入した人が28日現在、1801人に上り、4242万円分の商品券(購入額は3393万6000円)が購入された。

 グリーンストアは、消費増税に合わせ、これまで自社で使用してきたキャッシュレスサービス「あまみカード」が利用できる加盟店を拡大。ガソリンスタンドやレストランなど約20店舗が加盟している。こうした取り組みもあって、10月以降、同カードで買い物客が増えているという。

 入舟店と末広店では、カードに現金をチャージする機械が設置されており、買い物客の利用が急増しているという。入舟店の平山祐起店長は「以前は、1カ月に1回で済んでいたチャージ機の現金回収作業が、10月以降は1、2日に1回は回収しないと、現金がいっぱいになってしまうほど利用者が増えた。キャッシュレス決済の買い物客も、以前の5倍以上はいるように感じる」と話した。

 キャッシュレスサービスを利用することで、5%のポイント還元を受けることができ、食料品などは軽減税率で消費税は8%に据え置かれた。平山店長は「商品の多くが軽減税率対象の食料品なので、増税の影響をほとんど受けない。キャッシュレスサービスを利用することで、逆に5%安くなるので、買い物客にも喜んでもらっている」と話す。

 実際に、同店のキャッシュレスサービスを利用している買い物客の女性(48)は「ポイント還元はとても助かる。現金を出さないで済むので、レジもすぐに終わり、楽に買い物できるようになった」と話した。

 増税による消費の落ち込みを防ぐため、住民税非課税世帯や子育て世帯を対象に実施しているプレミアム付商品券は、1人当たり2万5千円の商品券を2万円で購入できる。奄美市では約9500世帯が対象となっているが、これまでに1801人が購入したという。

 同市の商品券は来年2月末まで購入できるが、購入には引換券が必要で、住民税非課税世帯の対象者は、事前に引換券を申請する必要がある。しかし、対象となる約8300世帯のうち、申請を済ませたのは約1800世帯のみで、年内に申請しないと、商品券の購入ができなくなってしまう。

 商品券の販売を行っている同市福祉政策課は「購入を検討している人は早めに引換券の申請を済ませてほしい。引換券を持っている人は、紛失しても再発行できないので、大切に保管してほしい」と呼び掛けている。