農家(右端)の発表を聞く参加者ら=和泊町=
【沖永良部】2019年度沖永良部地区青年農業者会議が30日、和泊町海上ホテルであった。和泊、知名両町の農業青年クラブ(4HC)のメンバー3人が登壇。テッポウユリの新品種栽培やパイナップルの導入に向けた取り組みなどを紹介し、今後の課題について意見を交わした。
若手農家の課題解決や先輩農家との交流を図ろうと毎年開催。関係機関から約40人が参加した。
発表プロジェクトは▽テッポウユリ新品種の栽培特性及び市場性の把握▽パイナップル栽培の復活と新品種への取り組み▽知名町における新規品目の検討―の三つ。
テッポウユリの新品種「ピュアホルン」と「プチホルン」の試験栽培に取り組んでいる知名町4HCの幸山利忠さんは、両品種の球根養成と切り花栽培の成果のほか、大田市場(東京)で行ったピュアホルンの実需者に対するアンケートの結果を説明。今後の課題として、従来品種「ひのもと」と新品種との栽培割合の検討や収益性の比較などを挙げた。
和泊町4HCは、島内での生産がほとんどなくなったパイナップルの復活に着手。「台風に強い換金作物が増えるし、手間がかからず、自家採苗でコストも抑えられる」「植付けから収穫まで最低2年かかるため収益が出るまで時間が必要」などと述べ、品種の選定から試験栽培までの取り組みを説明した。
知名町4HCは、5~12月に出荷できる品目として「パッションフルーツ」に注目し、試験栽培から2年目となるズッキーニとの混植栽培を行うと報告した。
また、就農3年目の山本成孝さんが「先輩農家から学んだこと」と題して意見発表し「先輩らのアドバイスを受けて土づくりに力を入れている。自分で商品の値段を決めて販売交渉できる農家になりたい」と意気込みを語った。
指導農業士らによる講評では「収益がないと衰退してしまう。みんなでサポートし合って産地化を目指して欲しい」「長い間農業をしているが、持続できているのはサトウキビとの輪作体系があるからだと思う」などと話した。