多彩に図書館・郷土館まつり

ギャラリートークではイカ餌木の歴史についての説明があり、来場者が興味を深めた

イカ餌木の歴史解説も
瀬戸内町

 瀬戸内町古仁屋の町図書館・郷土館(重村一人館長)は2日、「図書館・郷土館まつり」を同館で開いた。吹奏楽団の演奏や、草木染めのブックカバーづくりなど多彩なプログラムで訪れた人たちを楽しませた。ギャラリートークでは同館学芸員が収蔵品のイカ餌木について解説するなどし、郷土の歴史への興味を喚起した。

 イベントは同館の毎年実施の恒例行事。開会に際し、重村館長は「図書館・郷土館に親しんでもらおうと行っている。イベントを楽しみ、ほかほかした気持ちで帰ってもらえたら」とあいさつした。

 同町吹奏楽団「がじゅまる」による演奏で幕開け。ネリヤカナヤ創作童話コンクールの町内入賞作品発表、フィルムコート体験、おはなし会などがあり、訪れた子ども達が楽しむ姿が見られた。

 草木染ブックカバーづくりでは、奄美市笠利町の染色家・植田正輝さん(68)が講師となり、フクギを使った染めを実施。タコ糸で模様をつけ、親子連れなどが自分だけのデザインづくりを体験した。阿木名小5年の加納埜愛さん(11)は、「きれいな模様に染めることができた。何度も染め直すことで色が濃くなることがすごかった。またやってみたい」と笑顔だった。

 ギャラリートークでは、同館学芸員の町健次郎さんが郷土館所蔵のイカ餌木の歴史を解説。餌木は江戸時代に県内離島で発祥したという説があり、薩摩藩や全国へ伝播する中で魚型、細魚=ほそうお=型、エビ型へと形が変遷したという。町さんは「日本の餌木の発祥は奄美かもしれない」と来館者に説明した。

 関連行事として同館は、保存期限が切れた図書館雑誌を譲渡する「ブックリサイクル」や、図書館職員おすすめの本紹介を16日までロビーで展示する。