龍郷小・長雲林道で環境授業

龍郷小・長雲林道で環境授業

龍郷小の児童8人が長雲林道でアサギマダラのマーキング活動を実施

捕まえたアサギマダラは橋口校長が学校名と日にちを記入して児童が自分の名前を書き入れた

本土から移動のアサギ マダラ名前マーキングしてリリース
龍郷小・長雲林道で環境授業

 龍郷町の龍郷小学校(橋口俊崇校長)は5日、同町の長雲林道で「アサギマダラ環境授業」を行った。1、2年児童8人が参加。長雲峠周辺に飛来してきたアサギマダラを捕獲し、自分の名前などを羽に書き込んで放蝶を行った。

 アサギマダラは渡りをする蝶として知られ、奄美には秋から冬にかけて本土から南下。同校はアサギマダラのマーキング活動に10年以上取り組んでおり、2017年度には野生生物保護功労者表彰で環境大臣賞を受賞。同校の児童が再捕獲したアサギマダラでは、長野県や石川県などから直線距離で1100~1200㌔を超す長距離を移動した例もある。

 同校では吸蜜植物のハンダマを校内で植えたり、2学期に南下してくるアサギマダラのマーキングを長雲峠周辺で実施。この日に備えて事前にアサギマダラの生態など学び、蝶を模した紙にマーキングする練習を行ったという。

 児童らは午前9時に校庭に集合し、学校を出発。捕虫網や水筒などを抱えて長雲林道を、吸蜜植物であるヤマヒヨドリバナの咲いている個所に注意して移動した。

 標高の低い地点では、アサギマダラより冬に集団越冬するリュウキュウアサギマダラの方が多く見られた。林道を上り標高が高くなってくるとアサギマダラの見られる数が多くなり、児童らは橋口校長の合図で次々と捕獲に成功し捕まえた蝶の羽に「たつごう小 11月5日 自分の名前」などと油性ペンで記入して空にリリースした。

 2年の内野灯=あかり=さん(7)は、3匹を捕まえてマーキング。「マーキングは楽しかった。捕まえたアサギマダラはヤマヒヨドリバナにいて、みんな雄の蝶だった。自分の放したものが、無事に沖縄まで飛んでほしい」と話した。

 なお橋口校長は1日に下見した際、群馬県片品村菅沼湖畔から飛翔した個体を再捕獲。8月17日に同地でマーキングされて、76日かけて長雲林道まで約1300㌔を移動した個体と判明したという。