22年度からテスト販売へ

プロジェクトの本格スタートを切った「苗植え式」(2018年4月20日)

味の素AGF 「徳之島コーヒー」、今年度初収穫

 「徳之島コーヒープロジェクト」を推進する味の素AGF㈱(本社・東京、品田英明代表取締役社長)は6日、徳之島コーヒーを商品化し、2022年度にテスト販売開始、23年度以降に数量限定の本格販売を始めると発表した。今後、収穫量増に向けて、▽育苗数▽生産農地▽生産者(農家)―の拡大に取り組みを推進するとしている。

 同社は17年6月、伊仙町、徳之島コーヒー生産者会(??玉誠一会長)、丸紅㈱と4者で契約を締結し、同プロジェクトをスタート。①防風ネットなどの台風対策②自社製肥料活用や土壌分析による土壌改善③ハウスや精選機(パルパー)などの設備支給④台風に強い品種の種支給⑤育苗指導による生産技術提供―などの支援に力を注いでいる。

 同年11月には伊仙町内で苗木の栽培を開始。18年4月に育った苗を同社の実証ほ場(8㌃)に植えなおす「苗植え式」を実施。体験型の社員研修を兼ねてほ場整備や防風対策を行ってきた。今年度後期は土壌改良や施肥の適正化による単収向上に向けた土壌分析と、コーヒー栽培先進地・コスタリカの種子会社の農業技師を同町に招へいしての育苗・営農指導を実施することを予定している。

 同社は、19年度の徳之島全体で約100㌔(コーヒーの木2千本)のコーヒー収穫量を見込む。20年3月には2カ所目の専用実証ほ場(12㌃)をオープンさせ、農地を拡大。また、徳之島高校や地元の障がい者支援施設への育苗委託などで生産量を増やし、▽22年度1㌧(同1万5千本)▽23年度3㌧(同2万本)▽24年度10㌧(同2万5千)―と収穫量のスケジュールを描く。

 同社広報部によると、今回の発表は9月に実証ほ場内のコーヒーの木が実をつけ、今後の収穫や具体的なスケジュールの見込みが立ったことを受けて実施。来年3月には実証ほ場で同プロジェクトとして初の収穫祭も予定している。

 販売する商品についてはまだ決まっておらず、今後市場等の調査などを行った上で検討。テスト販売開始までの収穫分は、島内消費や商品開発に回すとしている。