講師を務めたパラ・パワーリフティング選手の山本恵理さん=与論町=
【沖永良部】「あすチャレ!Academy」パラアスリート特別セミナー(B&G財団主催)が5日、与論町B&G海洋センター艇庫であった。講師を務めたパラ・パワーリフティング選手の山本恵理さんが、障がい者としてのこれまでの経験とパラスポーツの魅力を伝えた。
B&G財団による東京2020応援プログラムの一環。10月28日~11月8日までは、日本代表選手として活躍したオリンピアンやパラリンピアンを紹介するB&G巡回写真展「スポーツのチカラ」も開催された。
山本さんは、パラ・パワーリフティングの現役選手。9月に東京国際フォーラムで開催された大会「READY STEADY TOKYO―パワーリフティング」の女子55㌔級で日本新記録となる63㌔をマークし、優勝している。
セミナーには、スポーツ指導者や福祉従事者ら約30人が参加。パラリンピックの歴史やパラアスリートを紹介した山本さんは、大会の意義として掲げられている「共生社会の具現化」について「私が思う共生社会は、障がいがある人もない人も同じゴールを目指せる社会。セミナーを通して、みなさんが思う共生社会を考えるきっかけにしてほしい」と呼び掛けた。
また、生まれつき足が不自由で車イスを使って日常生活を送る山本さんは「多くの人が持っている選択肢が私には無い時に障がいだと感じる」と述べ、解決策として「障がいを少なくするにはお金をかけるだけでなく、皆さんが誰かの選択肢になることだ」と話した。
このほか、障がい者をサポートする方法も指導。視覚障がい者を歩いて先導する場合のポイントとして▽障がい者に腕を持ってもらう▽斜め半歩から一歩前を歩く▽周囲の情報を伝える―とアドバイスし、参加者は2人1組になって声の掛け方や手の取り方などを実践した。