放射冷却により気温の低下で「毛嵐」が観測された龍郷湾=西康範さん撮影
名瀬、喜界今季最低 龍郷湾では「毛嵐」も
16日の奄美地方の最低気温は、奄美市名瀬と喜界町で14度台まで下がり、今季最低を記録した。内陸側に入り込んだ地形にある龍郷湾では放射冷却により、うっすらと「毛嵐=けあらし=」現象も見られた様子を西康範さんが撮影した。
名瀬測候所によると、同日の朝は天気が良く風もなく、上空に寒気が残る中で放射冷却が効き気温が低下したもの。奄美市名瀬は14・9度(午前6時57分)、喜界町14・7度(同5時34分)まで下がった。名瀬は12月上旬並み、前日より3度も下がった喜界は12月中旬並みの冷え込みとなった。
放射冷却が強まると観測できるのが毛嵐。大気の気温が海水や河川などの温度より低くなり、水面から蒸発した水蒸気が大気によって急激に冷やされて発生する蒸気霧の一種とされている。西さんが撮影した龍郷湾の写真には海面上にうっすらと漂う毛嵐、朝日に照らされてのキラキラとした輝き、そして横切る野鳥の集団とさまざまな表情が収められている。
測候所によると、17日の日中までは天気が良いものの、18日は前線が通過し下り坂になる見通しという。