災害廃棄物処理計画策定へ

電卓をたたき、災害時の廃棄物発生量を計算する各市町村担当者ら

奄美群島市町村  環境省ワーキング会議
発生量・処理可能量など算定法学習
20年度に奄美・沖縄の広域支援も

環境省九州地方環境事務所は22日、奄美市名瀬の市社会福祉センターで、災害廃棄物処理計画に向けたワーキング会議を開いた。奄美群島内10市町村の担当者らが出席した。同事務所から業務受託するコンサルタント企業担当者らが盛り込むべき事項などを解説。災害廃棄物の発生量や、処理可能量などの算定方法を学習し、主体的な計画策定に向けて取り組んだ。

昨年9月末、奄美地方に接近した台風24号により、喜界町の廃棄物処理場の建物が損壊する被害が発生。約2カ月の間、災害廃棄物や日常ごみが処理できなくなる事態に陥った。これを受け、同事務所は今年度、管内離島で自治体の計画策定支援事業を進めている。

計画は各市町村の地域防災計画に基づき、想定される災害の状況に対応した廃棄物量や具体的な業務内容を示すもの。会議は今回が3回目。これまでに国・県との連携や考慮すべき地域特性などを確認してきた。

今回は災害時に発生する災害廃棄物の量や処理可能量の算出方法を学習。また、台風などの風水害時の状況についても説明があり、「水が引いたタイミングで一気にごみが出る。局地的なものが多いため、片付けごみは少ないものの、後々出される家屋解体に伴うごみが多くなる」などとされた。会議は全4回日程で、次回は来年2月の開催を予定。出席した10市町村は4回目の会議で計画案を作り、20年度に計画を策定する。

また同省は20年度、奄美・沖縄の離島から九州本土に廃棄物を輸送する広域支援の枠組みも策定する方針。同事務所資源循環課の西元昭一郎災害廃棄物対策専門官は「離島は逃げ場がなく、ごみが溜まると悪臭や有害鳥獣などの被害が発生する。自治体の責任で策定される計画を基に、生活環境・自然環境の保全を図るための広域支援を考えたい」と語った。