景観向上〝一石二鳥〟例も

景観向上〝一石二鳥〟例も

耕地の表土流出防止と併せた草花の植栽で、地域住民に喜ばれているケースも=28日、伊仙町検福

徳之島地域土砂流防対策協
耕土流出対策など合同パト
優良耕作者のほ場巡視

【徳之島】徳之島地域土砂流出防止対策連絡協議会(会長・瀬戸口寛県大島支庁徳之島事務所長)の2019年度合同パトロールと検討会が28日、伊仙町内を対象にあった。耕地の表土や法面(のりめん)の流亡、海洋汚染対策を講じている優良耕作者たちのほ場を巡視。一般耕作者に対する意識づけ、その普及・啓発への工夫を求める意見もあった。

県をはじめ各町、JA、建設業協会などの関係者ら約20人が参加。貸し切りバスなどに分乗して伊仙町東部―中部地区のサトウキビ耕作地など4か所を巡回。耕土の流出防止のため畦畔(けいはん)部に、昔ながらに石垣を積んだりマツバボタンなど草花を密植して景観アップを図ったり、海岸沿いでは防風林も兼ねた対策―など優良事例のみを〝視察〟。同町中央公民館で室内検討会を開いた。

瀬戸口会長は冒頭「赤土等流出防止対策で一定の成果は上ったと考えているが、依然として赤土等流出の実態がみられ、自然環境への影響を懸念。活発な協議で対策をさらに推進し、来年度登録を見込む〝世界自然遺産の島〟にふさわしい美しい海、自然を守ろう」とあらためて協力を要請。

意見交換では、耕地の表土流出防止と併せた草花で美観を提供し地域住民にも喜ばれている事例も高く評価。ほか、無対策のまま耕土を流出させることは「肥料・栄養分も流出させるという意識付けも必要」「より分かりやすい広報・啓発の工夫を」など要望。建設業代表からは、土地改良工事の完工・換地後に「せっかく作った畦畔が崩されているケースも。法面保護も含め、周知をお願いしたい」など要望もあった。