石原久子さんが歌うシマ唄を継ぐ

石原久子さんと愛弟子の前山真吾さんの楽しいトークが会場を沸かせた

石原先生を囲んで弟子達が顔をそろえ、宇検村のシマ唄をたっぷり披露した

前山真吾さんの後継者、前山さくらさん、はなこさんの可愛さに会場も和やかに。

締めの六調は会場からも踊りが飛び出し、にぎわった

宇検村からの物産品の販売もあり、シマの香り満載の会場となり、来場者らを楽しませた

「いのち紡ぐうた」

 【東京】「うたぶくろ」と呼ばれるほどたくさんの独特な歌が現存する宇検村湯湾集落のシマ唄を歌い継ぐ唄者、石原久子さんを招いて「しまのうた」(しまのうた実行委員会主催)がこのほど、千代田区の紀尾井小ホールで開かれた。シマ唄愛好者や、奄美出身の人たちが詰めかけ、懐かしい歌声に乗せて語られるシマ唄に奄美へ思いをはせた。

 第2回目となった今回は愛弟子の前山信吾さんの子ども達や、湯湾の若手弟子らも顔をそろえ師匠のステージに花を添えた。

 石原さんと前山信吾さんの2人による祝い唄、朝顔節で幕が開き、来場者たちをもてなした。ホールに生音の三線(サンシン)の音が静かに響き渡ると会場は奄美一色となった。

 続いて出演者7人がそろい、「やいちぶし」と呼ばれる宇検村の朝花節をたっぷり聞かせた。

 今回は、いのち紡ぐという副題が添えられ、まさに今の弟子である、福山桃子さん(19)、蘭さん(中学2年)の二人が参加し、黒だんど節で若さ溢れる歌を熱唱した。

 前回も出演した米田愛子さん、窪幸子さん、脇田真由美さんらも顔を並べ、各人の持ち味のある歌を披露し、脇を締めた。

 2部では、前山さんの子ども達さくらさん(8)、はなこさん(6)がお父さんの三線で朝花節を元気に歌い、満場の拍手を受けた。

 3部ではハイスリ節、うんない節など、他で聞くことのできない宇検村ならではの歌を石原、前山の両人でたっぷり聴かせ会場を沸かせた。独特な意味を持つ歌詞の説明を交えながら、笑いありの楽しいステージを繰り広げた。六調では客席からも踊りが飛び出し賑やかに締めくくった。

 6歳から82歳というまさに語り継がれていくシマ唄の姿を目の当たりにした来場者らは、「素晴らしかった」と語り、会場を後にしていた。

 会場には物販コーナーも設けられ、2年前に創立された特産品協会から、宇検村の特産品がニンニク加工品からハブクリームまで22品目が並べられ、来場客らが珍しげに手に取る姿が見られた。