県議会一般質問

「全国共通制度で設けられるべき」
車検場ない離島の費用助成で答弁

 12月定例県議会は5日、一般質問に入り、同日は森昭男議員=公明党、鹿児島市・鹿児島郡区=、小幡興太郎議員=自民党、出水市区=、岩重仁子議員=無所属、鹿児島市・鹿児島郡区=、伊藤浩樹議員=自民党、出水市区=が登壇。奄美では瀬戸内町の離島の加計呂麻島・請島・与路島が該当する車検場のない離島の車検費用助成について、こうした補助制度は「全国に共通する制度として設けられるべき」として全国的な課題との認識が示された。

 車検費用助成は森議員が取り上げ、「車検場のない離島は県内では15の有人離島が該当する。航路を利用しての車両輸送により4万~7万円の輸送費がかかり大きな負担となっている」として助成の取り組みを求めた。

 古薗宏明企画部長は答弁で「離島関係都道府県で構成する離島振興対策協議会で、条件不利性の改善を図る施策の一環として車検にかかる補助制度の創設を国に要請しているが、なかなか実現をみない」と説明。全国共通制度として補助制度が設けられるよう、実現に向けて県開発促進協議会等を通して今後も粘り強く国に対して要請していくとした。

 救急車の適正利用に向けて、住民が急な病気やけがをしたとき、救急車を呼んだほうがいいのか、今すぐ病院に行ったほうがいいのか迷った際の相談窓口として、専門家から電話でアドバイスを受けることができる「♯7119(救急安心センター事業)」の早期取り組みを求める質問があった。

 地頭所恵・危機管理防災局長が答弁。それによると2017年の県内における救急車の出動件数は8万3891件で年々増加傾向にあるが、このうち軽傷者の割合は32・3%と3年連続全国で最も低い状況にある。地頭所局長は「『♯7119』は、軽傷者による救急車利用や救急医療機関の受診の減少により、救急車の適正利用や救急医の負担軽減の効果が期待されることから、事業効果や導入経費等の課題を踏まえ既存の類似の事業との連携を含めて、事業実現の可能性について検討したい」と述べた。

 10月からスタートした幼児教育・保育の無償化の対象施設数(10月末現在)は、保育所365、地域型保育事業77、認定子ども園228、幼稚園117、認可外保育施設135となっている。無償化に伴う便乗値上げについて吉見昭文子育て・高齢者支援総括監は「幼稚園等の利用料等の変更は、保護者に対し変更の内容を説明するとともに、園の規則の変更とその理由の届け出を県に行うこととなっている」と説明。これに基づき県は、届け出を行った私立幼稚園に対しその理由を確認したところ「教職員の処遇改善や消費税率の引き上げに伴う対応」などとされ、吉見総括監は「質の向上を伴わない理由による引き上げがあってはならない。実際に教職員の処遇改善がなされているかなど引き続き確認するとともに、必要に応じ指導助言していく」とした。