50年ぶりの年内操業開始

富国製糖の操業が始まり続々とサトウキビが搬入された

 

前年比2400㌧増 2万5千トン見込む
富国製糖

 

 奄美市笠利町の富国製糖㈱奄美事業所(有村成生社長、勢幸一事業所長)は16日、2019/20年期の操業を開始した。50年ぶりとなる年内操業の初日は原料搬入式と製糖開始式が行われ、参加者らは円滑な原料搬入、製糖や安全操業の徹底などを祈願した。同事業所は昨年より高い糖度が出ていることから、今後の生産に期待している。

 今期産サトウキビは、雨が適量に降り台風も近くを通過しなかったので順調に生育し、生産量は前期比2400㌧増の2万5000㌧(奄美市笠利町=2万3430㌧、龍郷町=1300㌧、同市名瀬140㌧、宇検村=130㌧)を見込んでいる。製糖期間は来年3月21日までの97日間(年内は24日まで搬入、年明けは8日再開)を予定している。

 有村社長は今期産のサトウキビについて「梅雨明けが例年より遅れ、その後も干ばつなどなく適量な雨が降ったことから順調な生育だった。11月25日のブリックス調査では、前期比1・2度高い18・7度。今後も上昇が見込まれる。働き方改革に対応し、50年ぶりの年内操業。来期増産のため、春植え株出し管理に努めてもらいたい」とあいさつ。朝山毅市長(代読)や龍郷町の竹田泰典町長なども、それぞれ激励の言葉で期間中の安全操業を祈願した。

 同事業所によると、初日の原料搬入量は343㌧。平均甘しゃ糖度は14・3度(前期比0・4度増)で、最高糖度は16・4度(同0・2度減)、最低糖度は11・5度(同0・6度増)。同事業所関係者は、「今期産は順調に生育し、糖度も前期より上がり平年並みに。糖度調査の時に葉がしっかりしていて、今後も光合成が進むのでないか」と話した。