放流スジアラを漁獲

全長53・5㌢、重量2・1㌔に成長した放流スジアラ(提供写真)

片方の腹びれが無い放流スジアラ(提供写真)

腹びれの片方無く判断
加計呂麻島沿岸で釣れる

 17日、名瀬漁協で競りにかけられたスジアラ(ハージン)の中に、放流されたとみられる個体が発見された。県大島支庁林務水産課によると、放流スジアラの稚魚は、放流効果を確認するため、腹びれを片方抜いて放流する。「今回確認された個体は、片方の腹びれが無いことから、放流されたスジアラと判断した」としている。漁獲されたスジアラは全長53・5㌢、重量2・1㌔。瀬戸内漁協の組合員が16日、加計呂麻島沿岸で一本釣りで漁獲し、名瀬漁協に出荷した。全長、重量から「2013年度に瀬戸内地区漁業集落により放流された個体と思われる」と推定している。

 支庁林務水産課によると、スジアラの稚魚は、県水産技術開発センター(指宿市岩本)で種苗生産され、「公益財団法人かごしま豊かな海づくり協会」(垂水市)で中間育成し、6年前に瀬戸内地区漁業集落によって放流されたものとみている。「大きさから推定年齢は7歳」。

 名瀬漁協で得た情報によると、放流スジアラの漁獲は「6、7年ぶりではないか」としている。

 全長8㌢前後に成長した稚魚を奄美群島海域に放流しており、19年度は群島海域に合計3万匹が放流された。

 今回発見された放流スジアラは、奄美市名瀬のスーパー「グリーンストア」が落札し、入舟店で販売を予定しているという。

 支庁林務水産課など関係団体は、放流スジアラの漁獲情報提供を呼び掛けている。チラシには写真を付けて「標識として腹びれを片方抜いている」「見つけた人は、捕れた場所、全長、重量などを教えてください」という内容で協力を呼び掛けている。

 連絡先は、支庁林務水産課電話0997―57―7288へ。