町内の外ネコ不妊化率87%

外ネコ調査の生息状況を掲示する子ども会のメンバー

「自分たちの問題として行動へ」
大熊調査報告会
ACN

 奄美ネコ問題ネットワーク(ACN、久野優子代表)は17日夜、奄美市名瀬大熊町の大熊公民館で大熊外ネコ調査報告会を開いた。5月から同町で行われていた外ネコの実態調査の結果を報告。町内で31匹の外ネコを確認し、うち27匹がTNRなどにより87・1%と高い不妊化率だった。講師から問題解決に向け、「自分たちの問題ととらえて活動する」などの提言があった。

 ACNは奄美猫部、NPO法人奄美野鳥の会、奄美哺乳類研究会の3団体が中心となり、これまでネコ問題の啓発を推進。今年度から新たな取り組みとして、大熊地区ネコ管理モデル地区計画をスタート。町内会の協力で屋外にいるネコ(放し飼い猫、ノラネコ)の生息状況を調査し、ノラネコがいた場合に市環境対策課がTNR(ノラネコを捕まえて不妊化手術し元に放す)事業をして、将来の町内の外ネコの減少に向け取り組んできた。

 外ネコ調査は、集落内のネコ生息状況を把握し高い不妊化率のTNRを目指す目的。町内に六つの調査エリアを設定し、町内会と子ども会の協力で5月に事前調査を実施した。事前調査で19匹のノラネコを確認し、不妊化されていたネコは58%だったという。

 事前調査後に、見つかった外ネコ9匹をTNRなどで不妊化。最後の状況調査では、31匹の外ネコのうち不妊化27匹(不妊化率87・1%)と不妊化率の上昇を確認。調査に関わったACNの塩野﨑和美さんは、「効果を出すためにはTNRで高い不妊化率が必要。ネコは外でなく屋内で飼うのが幸せ。ネコ問題を身近なものと考えて、みんなで連携してやっていくことが大事」と語った。

 調査に参加した青壮年団の藤島亮佑さんは、「調査が進んでいくと耳をカットされた外ネコが増えて来たのを感じた。住民の意識が変われば、外ネコは減るのでないか」と話した。

 大島高校3年の徳賢志朗さん(18)は、奄美猫部の活動にボランティアで何度か参加してきたという。会に参加し「行政や奄美猫部に頼るだけでなく、地域でこうした取り組みが広がっていけば問題が解決されると思う」と感想を話した。

 このほか自然やネコに関する講話や、ネコ問題をコミカルに表現した寸劇も行われた。