おがみ山で復帰のつどい

泉芳朗氏の胸像に献花を捧げる参加者ら

語り継ぐ決意新たに
市民4団体 泉氏胸像に献花

 日本復帰66周年記念「おがみ山日本復帰市民のつどい」が「復帰の日」の25日、奄美市名瀬のおがみ山日本復帰記念碑前広場であった。参加者らは復帰運動を牽=けん=引した泉芳朗氏の胸像に献花し、運動の機運を高めた「日本復帰の歌」や復帰の喜びを表した「朝はあけたり」を斉唱。先人の苦悩に思いを馳せ、語り継ぐ決意を新たにした。

 主催は、▽奄美群島の日本復帰伝承する会▽奄美郷土研究会▽潮鳴会▽日本復帰を語り平和で豊かな島づくりを考える会―の4団体からなる「おがみ山日本復帰のつどいを伝承する会」。市主催の復帰記念行事の開催会場が同広場から名瀬小学校に移転した後も、広場での集会の継続を望む声があり、3年前から続けられている。

 この日は小雨降りしきる中、約20人の参加者が山道を登り、名瀬市街地を一望できる同広場に集まった。主催を代表し、大津幸夫さん(86)は「思想信条を越えた島ぐるみの民族運動として全国の奄美人が結集したことや、戦争の悲惨さと平和の尊さを、教訓として語り継ぐために、おがみ山での集会を続けていく必要がある」を強調。また「これから新しい時代に向かって、平和友好の橋渡しを奄美大島が先頭を切ってやっていきたい」と訴えた。

 この日偶然、観光目的で会場を訪れ行事に参加した兵庫県明石市の庄司富二男さん(65)は「復帰の歌などは初めて聞いたが、歌詞が心に迫るもので、言葉や歴史の重みをひしひしと感じた。地元に帰ってからも、このことを思い出しながら過ごしたい」と話した。