中央青果で初セリ、掛け声響く

昨年入荷のなかったポンカンなどが並んだ中央青果の初セリ

世界遺産期待し食提供
ポンカンなど入荷 パッションにご祝儀相場

名瀬中央青果㈱(森山直樹社長)は5日朝、奄美市名瀬長浜町の市場で2020年の初セリを行った。市場関係者が新年を祝い、一年の豊作と食の安心安全などを祈願し、乾杯後に初セリを開始した。昨年は台風影響で入荷のなかったポンカンやパッションフルーツの入荷もみられ、生産者や仲買人などの新年が始まり、景気向上を期待するセリの掛け声が交わされた。

午前8時半からセリ始め式を実施。森山社長は、「今年は国の方でも、いろいろ大きなイベントが控えている。みなさんの日々の商売の方にも、良い影響を与えてくれたらと願っている」と述べた。

続いて朝山毅市長があいさつ。「昨年は大きな災害もなく、台風襲来も少ない年だったが、ミカンコミバエの誘殺が確認された。しかしながら国、県、地元生産者などの協力により大過=たいか=なく防除策を講じることができた。今年夏ごろには世界自然遺産登録が期待されており、多くの人が来島する。新鮮で奄美ならではの食を提供できるように、みなさんと連携を図りながら努めていきたい」と語った。

市場にはダイコン、ニンニク葉、ハンダマ、トマト、キャベツ、キュウリ、シイタケなどが並んだ。パッションフルーツにご祝儀相場の1㌔㌘2020円の値がついた。

同青果によると、野菜についてはキュウリ以外が昨年の初セリより入荷が減少し、単価も安値。果実は昨年入荷のなかったポンカン、パッションフルーツが入荷したが単価は安値となった。

5日の入荷量は野菜1952・8㌔(うち地場産は95%)、果実が1159・2㌔(同72%)、花きが752・5㌔(概算・同50%)だった。

6日は、名瀬漁協で初セリがある。同漁協の満林春男組合長は、「通常は日曜日が休みだが、昨年末は正月前ということでセリを行った。初セリは例年5日だが今年は日曜日と重なるので、仲買人などの声もあり6日に初セリを行うことにした」と経緯を説明した。