知名町で離島物価問題懇

物価問題について意見を交わす参加メンバーら=知名町あしびの郷・ちな=

ガソリン等安定供給 「安全な港」を
事業者と消費者が意見交換

 【沖永良部】2019年度離島物価問題懇談会が21日、知名町あしびの郷・ちなであった。県や町、消費者の代表ら20人ほどが出席。事業者からは、ガソリン等の石油製品の安定供給に関して「港湾の整備状況が悪く、石油製品を積んだタンカーが安全に接岸できない」などの問題を挙げた。

 懇談会は県主催。離島の物価安定を目指し、大島地域または熊毛地域の中から1市町村を選び、毎年1回開催している。

 懇談会の前に、有村商事(株)和泊油槽所を視察。同所の監督者は、油槽所に隣接する港湾の静穏度の低さを指摘し「波が高いと石油製品を積んだタンカーが接岸できない。接岸できても船が揺れてタンクへの搬入作業時に危険を伴う。安定供給のためにも安全な港の整備が必要」と訴えた。

 懇談会で石油製品小売業者は「台風で悪天候が続き、油槽所のタンクが空になる寸前までいったことがある」「ガソリンには1㍑10円の補助が出ているが、農業関係で使うことの多い軽油にも補助が欲しい」などと述べた。

 ガス事業者からは「ガス器具をなるべく安く提供することで、多くの人にガスを使ってもらえるよう努力している」。商工会の代表者は「消費増税対策としてキャッシュレスを推進しているが、事業者側のメリットが少なく、負担の方が大きい」と語った。

 消費者からは「地産地消で物価高に対抗できないか」「島では物価が高いのが当たり前になっている」などの意見が出た。

 県消費者行政推進室による18年度地域差指数は、鹿児島地域を100とした場合、大島地域の石油製品は117・3で生鮮食品は119・3、加工食品が128・4となっている。また、昨年7月に実施した価格動向調査では、鹿児島地域のガソリン価格が1㍑税込み155円に対し大島地域は167円だった。