高値での取引を期待し、収穫期に向けた気勢を上げた生産者ら
【徳之島】2020年産「徳之島地域赤土新ばれいしょ『春一番』出発式」(同「春一番」連絡協議会・JAあまみ徳之島・天城両事業本部主催)が1日、天城町防災センターであった。JA関係者・徳之島3町長・生産者・全国の市場関係者ら約400人が参加。昨年、一昨年と安値が続いたことから、「今年こそは」の思いを込め、「出荷量1万㌧、販売額20億円突破」の目標を掲げた。
20年産の生産・販売計画は、▽JAあまみ徳之島事業本部(伊仙・徳之島両町)=面積320㌶(前期比26㌶減)、出荷量6千㌧(126㌧増)、▽天城同=203㌶(33㌶減)、4千㌧(50㌧増)。3町合計523㌶(59㌶減)、1万㌧(176㌧増)を見込んでいる。
JAあまみ天城事業本部の山田三千男統括理事は「昨年から2か年連続、価格がふるわず、農家の皆さまの今年にかける思いがあると思う。今期の春一番が高値で取引され、最後には笑えるようにしたい」とあいさつ。連絡協の中山浩樹会長は「良いものを売れば市場もそれに応えてくれるはずなので、一致団結して、良いジャガイモを消費地に送ろう」と呼び掛けた。
情勢報告でJA県経済連は、「野菜全般では暖冬により、ものがあふれている状況。消費についても気温が高く、鍋物や煮物を食べないため、伸び悩んでいる」と説明。また、バレイショについて「これから県産の出荷が本格化する中、消費の拡大運動を行う。皆さまにもリレー出荷、市場との連携、品質の維持を徹底してもらえれば良い結果が出るはず」とした。市場関係者からは「今年こそはバレイショに携わる皆さまが少しでも満足できる結果を追い求めるようここに約束する」との決意表明もあった。
生産販売に向け、▽適期収穫▽病害予防▽ほ場選別の徹底▽定時・定量・定質の出荷・選別―などの事項を確認。関係機関・団体の代表が本格出荷のテープカットを行い、トラックを見送り。「がんばろう」三唱で思いを一つにした。
このほか、式前には兵庫県豊岡市のNPO法人コウノトリ湿地ネットの佐竹節夫代表が、自然保護と農業の両立事例を紹介する講演があった。また今年からは式後に会場内で「ばれいしょフェスタ」も開催。ステージ発表や食事、抽選会などで盛り上がった。