タンカン、シーズン到来

式ではさみを入れる園主の玉野さん(右)と泉副村長(大和村大金久)

大和村ではさみ入れ式
育成順調、生産量は回復傾向

 JAあまみ大島事業本部主催の2019年度産「奄美たんかんはさみ入れ式」が1日、大和村大金久の玉野果樹園(福元盆地内)であった。生産者や行政、関係団体など約50人が出席。生産者らは、たわわに実ったタンカンを切り取って、収穫シーズンの到来を祝った。

 今期産は、台風の影響を受けた前年と比べて生産量は回復傾向にあり、今後の鳥獣被害の懸念もある中、前年実績67・6㌧から約30㌧増となる97・7㌧の共販(JA取扱)を掲げた。関係者によると、糖度もよく前年と比べると育成状況は順調だが、酸の抜けが早く例年より早めの収穫を呼び掛けている。

 式で同部生産部会連絡協議会果樹部会の大海昌平会長は「昨年と比較しても回復傾向にある。温暖化の影響で着色など心配したが順調にきた」とあいさつ。同果樹園主の玉野公和さん(65)は「令和初の年にはさみ入れができて光栄。(今後も)肥培管理など徹底して高品質のタンカンをつくりたい」と話した。

 玉野さんは役場の定年退職を機に、行政・農業指導士と条件のよい農地を調査し、2014年から同地で経営開始。標高340~380㍍、日当たり南西向きの寒暖差を生かし、タンカン(成木150本、幼木80本)、津之輝、スモモなど、品質の高い果実生産に取り組んでいる。

 泉有智同村副村長、県大島支庁農林水産部農政普及課・田中浩人課長らは「関係者が協力し、ブランドの確立、生産者の単収向上を」など祝辞。玉野さんら代表者がはさみを入れ、鮮やかに色づいたタンカンを手に笑顔を見せた。

 一同最後は、タンカンジュースを手に、乾杯でシーズンの到来を祝福。順調な収穫、作業の安全を願った。

 なお、JAの出荷開始は3日を予定し、収穫は今月いっぱい続く見込み。13、14日には、奄美大島選果場と奄美市農業研究センターで品評会と表彰式を予定している。