ブローする親クジラ(左)のそばを泳ぐザトウクジラの子ども
尾びれを見せて潜水するザトウクジラ
来遊シーズンを迎えたザトウクジラのホエールウォッチング&スイムが今シーズンも好調に推移している。奄美クジラ・イルカ協会(6事業者)はツアーと合わせて、奄美大島周辺海域でザトウクジラの出現頭数調査を行っている。先月31日、ツアーも兼ねた調査を実施し、瀬戸内町の加計呂麻島と請島の間の海域では3頭のクジラが出現した。昨年12月から今年1月30日までに、76群126頭の出現を確認。ホエールウォッチングのシーズンに入り、多くのツアー客が参加してウォッチングやスイムを楽しんでいる。
冬季、奄美大島近海には、繁殖や子育てのためザトウクジラが来遊する。前年のシーズンのザトウクジラ出現頭数は107群185頭で、今シーズンは前年比68・1%にあたる76群126頭を確認している。
この日午前中の調査では、ザトウクジラは未確認。午後の調査も奄美市名瀬の小湊漁港から出港し、2時間近く進んだ瀬戸内町の加計呂麻島と請島の間の海域に目撃情報のあったザトウクジラが出現した。
ツアー客らは船上からブロー(潮吹き)や潜水などの行動を観察し、スイム体験者はスーツに着替え船長の合図で海に入りザトウクジラとのスイムを楽しんでいた。
奄美大島でのホエールスイムが4回目の参加になる神奈川県川崎市の多田和之さん(68)は、国内では沖縄県の座間味島でもホエールウォッチングするという。「ホエールスイムは、クジラと同じ空間にいるのが魅力。奄美大島では参加に年齢制限もなく、高い確率でクジラが見られる。これまではシルエットしか見られなかったが、今日は姿がはっきり見えて最高だった」と喜んでいた。
奄美大島のホエールウォッチング参加者は年々増加しており、2019年は2936人。なかでもスイム体験者が18年の777人から1475人と倍近くになっているという。