地域包括ケアの取り組み学ぶ

各集落の支え合い団体代表らと意見交換する鹿児島国際大の学生ら

地域支え合い団体代表らと意見交換
鹿国大の学生 連携協定結ぶ大和村訪問

 大和村と地域社会の発展や教育・研究活動などで連携協定を結んでいる鹿児島国際大学(鹿児島市)社会福祉学科の学生16人が、4日から7日まで同村でフィールドワークを行っている。6日には、地域住民が主体となって各集落で様々な活動に取り組む支え合い団体代表者らと意見交換し、全国的に注目を集める地域包括ケアシステムの構築に向けた同村の取り組みなどを学んだ。

 同学科の岩崎房子准教授のゼミでは、特性を生かした地域づくりの学習、若者目線での地域資源の発掘や課題の抽出、解決策の検討に取り組むため、5年前から同村でのフィールドワークを実施している。4日に来村した学生らは村内の防災センターを拠点に、特別養護老人ホームや各集落内を訪問、地域住民らと交流しながら、奄美の伝統的な生活などを体験、住民同士の交流などから地域課題の解決策などを探っていく。

 同村の支え合い団体は、村内10集落に11団体あり、地域住民が主体となって各集落で高齢者を支援する活動などを実践、地域活性化に取り組んでいる。意見交換会には、支え合い団体の代表ら約20人が参加。学生らと集落ごとのグループに分かれ、過疎化によって買い物などの日常生活が不便になっている実情や住民同士の交流によって元気な高齢者が社会参加していることなどについて話し合った。

 学生らは、SNSを使った情報発信や住民の生活状況などをまとめた支え合いマップの作製など、地域の魅力を生かしながら住民相互に支え合う社会づくりなどを提案。奄美市名瀬出身の同大2年、平聖士郎さん(20)は「大和村の人たちが元気に交流している姿を見て、奄美の魅力は自然環境だけでなく、人のつながりもあることを実感した。卒業後は奄美に戻ってきて、経験を生かせる仕事をしたい」と話し、同市笠利町出身の川畑瀬莉さん(20)も「学内の授業では学べない、地域の声を聞くことができ、とても勉強になった。将来は奄美で活躍できる人間になりたい」と話した。

 学生らは7日に伊集院幼村長ら村職員とも意見交換し、同村の包括的な地域支援体制の在り方などを学ぶことにしている。