伊仙町喜念小 黒糖作り体験

学校名物の「サタグンマ」も稼働再現した黒糖づくり体験学習=7日、伊仙町立喜念小

学校名物「サタグンマ」稼働

 【徳之島】伊仙町立喜念小学校(今村浩幸校長、児童数23人)で7日午前、学校に再現設置されている昔ながらのサトウキビ圧搾機「サタグンマ」と「サタヤドリ」(砂糖たき小屋)も使った黒糖づくり体験があった。児童たちは、先人たちの労苦や知恵が凝縮された伝統産業の一端を学び、学校で育てたキビも原料に黒糖づくりに挑戦した。

 サタグンマは校区民が寄贈、同校創立記念事業で校地内に復元展示されているもの。老朽化した木造の骨格部分などは喜念集落が町事業を活用して修復整備した。保護者や地域住民の協力も得た昔ながらの黒糖づくり体験学習と実演は、この時期の同校名物ともなっている。

 体験学習の冒頭今村校長が、島の経済を支えるサトウキビや黒砂糖についてミニ講話。原料のキビは、児童たちが学校園で栽培した約100㌔に、各家庭から数本ずつ持ち寄って補充。それを保護者たちが県農業開発総合センター徳之島支場(同町面縄)に運んで、圧搾協力を得てキビ汁を確保した。

 そして小雨を避けたテント内に丸い大なべ3個、ミニ・サタヤドリ内に平なべ1基の4か所で「サタタキ」(砂糖たき)がスタート。白煙と湯気が立ち込めるなか、難しい煮沸の火加減やPH調整などは平山製糖(天城町与名間)の平山五十六さん(43)がアドバイスした。

 その傍らでは、サタグンマの回転棒を牛馬に代わって児童たちが息を切らせながら手押しで回転させる経験も。

 6年生の森稀恋(まれん)さん(13)は「キビがないと黒糖が作れないのでキビの存在、役割は大きいと思う。みんなでつくる黒砂糖はおいしい」と話した。