加盟店も困惑 オリガミショック?

奄美で展開するオリガミペイサービスのPR(LCCピーチ・アビエーションホームページより)

運営会社、他社に買収
奄信金、ピーチ「回答を店舗、ユーザーに説明したい」

 奄美群島でキャンペーンを展開するスマホ決済サービス「OrigamiPay(オリガミペイ)」の運営会社㈱Origami(東京都)が他社に買収されることが先月明らかとなり、同サービスの動向が注目されている。奄美新聞の取材に対し同社はキャンペーン期間中のサービス継続と統合先へ体制移管する意向を伝えたが、今後については「統合先と協議中につきコメントを控えたい」とした。

 同社は1月23日、㈱メルペイ(東京本社)への全株式の譲渡を発表し、今後メルペイ主体でのサービス提供を明らかにしている。既存サービスには「各事業者と協議の上、対応を検討する」(ホームページ掲載)との姿勢にとどめる。

 オリガミ社はスマホ決済サービスの先駆けとして知られる。18年には信金中央金庫との提携などでキャッシュレス普及をけん引した。奄美での参入は昨年、LCCピーチ・アビエーションの大阪(関空)―奄美大島線就航をきっかけ。ピーチ社と県との共同による「奄美群島応援団」プロモーション企画の第一弾だった。

 地域のキャッシュレス化を推進するパートナー企業として、奄美大島信用金庫が参画しサービス加盟店の募集を呼び掛け。さらに独自のオリガミキャンペーンでは、ピーチ社の奄美路線搭乗時や加盟店での値引きクーポンプレゼントなどを展開(3月31日まで)している。

 奄美市内の加盟店関係者への取材で、統合発表のあった当日、オリガミ社からメールでの報告があったものの、細かな状況説明は示されていないことがわかった。加盟店主からは「いまのところ影響はない」とする一方、「金銭に関わるサービスなので困惑している。顧客への対応に不安もある」との声が出ている。

 同金庫本店業務部によると、2月6日時点で加盟店舗数は約300店。地域別では奄美市内が多く、飲食店や宿泊施設など約160店に上るが、現在新たな加盟申請は受け付けていない。スマホ決済サービスの提携は奄美が初めてだったピーチ社の広報は、サービス連の携についてオリガミ側と協議を進めているという。

 同金庫、ピーチ社は「今後の提供体制が決まり次第、加盟店、ユーザーさまに説明したい」として、あらためてサービスの現状利用に問題ないことを呼び掛けている。