DeNA奄美秋季キャンプ終了

奄美で最後の開催となった昨年の秋季キャンプ

10年連続、野球教室などで交流 「残念だが応援続ける」

 プロ野球・横浜DeNAベイスターズは9日、球団公式ホームページで、昨年まで奄美市の名瀬運動公園市民球場で行っていた秋季キャンプについて、今年から神奈川県横須賀市の球団施設「ドック・オブ・ベイスターズ・ヨコスカ」で行うと発表した。2010年から10年間続いてきた奄美大島での秋季キャンプが終了する。朝山毅市長は「キャンプ地が変更になったことは残念」とコメントするなど、地元関係者からは、キャンプ終了を残念がる声が相次いだ。

 DeNAの秋季キャンプは、奄美豪雨災害直後の10年秋からスタート。キャンプ期間中は地元小中学生らを対象にした野球教室を開催するなど交流。シーズン中も、球団のホームゲームで市のPRイベントを開催するなど交流を続けてきた。

 公式戦で始球式を行ったこともある朝山市長はコメントで「災害対応に厳しい状況下ではあったが、プロ野球が初めて島を訪れたことに大変感激し、島民に大きな希望と勇気を与えてくれたことを鮮明に覚えている」とし、キャンプ地の変更については、「残念なことだが、本拠地近くに施設が完成したことは球団にとって大変喜ばしい」と、球団の決定に理解を示した。

 また、球団側の発表で、今後も同市との交流を継続していくことなどが示されたことに対し「キャンプがつないでくれた離島奄美と
DeNAの縁を大切に、さらに交流を育みながら応援し続けたい」と感謝した。

 10回のキャンプすべてで選手や監督、スタッフが宿泊した同市名瀬港町の奄美サンプラザホテル。キャンプ中には、地元の少年野球チームとの交流食事会(奄美市主催)も行われるなど、選手と地元ファンとの交流の場にもなった。

 東郷隆博支配人は、中畑清元監督、ラミレス現監督をはじめ、多くの選手がサービス精神を持って接してくれたことを振り返り「奄美と長らく縁を持ってくれたチームに感謝したい。また何かの機会に奄美を訪れてもらえたら」と名残を惜しんだ。

 奄美大島商工会議所の有村修一会頭は「キャンプ終了は大変残念。これまで10年間にわたり、奄美の認知向上や野球少年への技術指導など、その貢献に感謝したい。今後は影響ができるだけないよう対策を官民一体となって取り組んでいきたい」とコメントした。

 キャンプ受け入れの中心的役割を担ってきた奄美市野球連盟の前里佐喜二郎会長は「経済効果もあっただろうし、子ども達も楽しみにしていたので残念。市民球場の改修などの際は、当時のスタッフにアドバイスももらった。選手との交流など個人的な思い入れも深い。キャンプ終了は残念だが、これからもチームを応援したい」と話した。