高校生たちとも和やかに交流したハギンス大使ら=10日、樟南二高(天城町)で
五輪レスリング元日本代表・西見健吉氏(与名間出身)らの直接指導も=9日、天城町B&G海洋センター
【徳之島】中米カリブ海の島国セントクリストファー・ネービスの大使や、地元天城町出身の五輪レスリング元日本代表らを招いた2019年度ホストタウン事業が9、10日にかけて同町であった。グローバルな人材育成に期待した国際交流、ちびっ子ら対象レスリング教室、学校訪問などで交流をスタートさせた。
2020年東京五輪・パラリンピック出場国と開催国日本の各自治が幅広い分野で交流促進を進める「ホストタウン」交流事業の一環。天城町は、西インド諸島に属するセントクリストファー島とネービス島からなる同国(262㌔平方㍍、人口約5万2千人)との交流登録している。
親善訪問したのは台湾のセントクリストファー・ネービス大使館のジャスミン・ハギンス大使(兼・日本非居住大使)と同大使秘書。それに同町与名間出身の陸上自衛官で、1996年アトランタ五輪レスリング男子グレコローマン57㌔級第8位入賞の西見健吉氏(52)と、19年全日本学生選手権・男子フリースタイル74㌔級で優勝、24年パリ五輪を目指している成國大志さん(22)=東京都出身、青山学院大4年=ら4人。
9日午後2時から同町B&G海洋センター体育館であった「レッツ、みんなでレスリング体験教室」にはスポー少年団員ら約60人が参加した。憧れの元五輪選手らのスーパー実技を交えた約2時間の熱心な指導で、ちびっ子レスラーらの夢を育んだ。
同日夜は、町防災センターで合同交流会があり、森田弘光町長は「セントクリストファー・ネービスは天城町と多くの共通点が。今回の交流事業を通じて双方の友好交流に。西見氏らレスリングの2人には、世界に羽ばたく夢を持つことの素晴らしさを子どもたちに伝えて欲しい」と期待。郷土料理や舞台芸能も楽しみながら交流を深めた。
ハギンス大使らは10日の町内視察では、樟南第二高校も訪問し、普通科2年生ら23人と交流。英語による同国と学校側双方の紹介やフリートーク、生徒の三味線・歌にのせた「ワイド節」を踊り、心の輪もつなぎ広げた。
ハギンス大使は交流の感想で「人々の温かさがすごく好き。自然も美しく、私の国ととても似ている。今回が交流のスタートになるが、オリンピック後に選手たちを天城に送って交流したい。将来的には、高校生たちの交換留学も出来たらと思う」と話した。