医師会病院・虹の丘線の直行便再開などの報告があった奄美市地域公共交通活性化協議会
奄美市地域公共交通活性化協議会(会長=武下義広市商工観光部長)の2019年度第3回会合が20日、市役所であった。昨年10月に実施された市内バス路線の再編によって廃止となった奥又(名瀬平田町)―医師会病院・虹の丘(名瀬小宿)線について、路線バスを運行するしまバスが、新路線として直行便を再開することを報告した。4月13日から運行を開始する。
10月の路線再編によって、市街地から医師会病院・虹の丘へ行くには、名瀬平松町の「こしゅく第1公園」バス停での乗り換えが必要となり、利用客から利便性の低下を指摘する声が上がっていた。
新路線は、平日が奥又発2便、医師会病院・虹の丘発1便の計3便、土日祝日は奥又発の1便のみで医師会病院・虹の丘発の便はない。再編前の経路で運賃も従前通り。病気などで通院する利用客の負担軽減が目的で、午前中の運行となる。
路線再編後の経過報告もあり、路線変更当初、バス停に時刻表の表示がなく、乗り継ぎ運賃が適用されないなどの不手際があったことなどが報告された。しまバスや市などには運行ダイヤに関する苦情や運転手の接遇態度に対するクレームなども多数寄せられたという。
市は新年度予算で、乗り継ぎの拠点バス停となる「こしゅく第1公園」バス停に屋根とベンチを整備することにしており、しまバスも「運転手の接遇マニュアルを制作、研修会を開くなど、利用客への対応改善を進める」ことを報告した。
しまバスは路線バスの利用促進策として、ホームページのリニューアルやスマートフォンを使って路線バスの時刻を検索できるシステム(ナビタイム)の導入などを進めていることも報告。また、運転手不足の解消策として、大型2種免許取得支援を積極的に行うなど雇用環境の改善にも努めていくことにしており、同社の勝村克彦社長代理は「利用客に不便や迷惑をかけてしまい申し訳ない。島民の足、観光客の移動手段として利用してもらえるよう業務体制を改善し、利便性の向上に努めていきたい」としている。
このほか、昨年4月から9月まで実証運行した同市笠利町の打田原・前肥田地区乗合タクシーの実績報告があり、78日間で計312便を運行。利用者は36人で「1運行日当たり2人以上」の利用目標を大幅に下回ったことなどから、本格運行は中止することになった。