「当間待ち網漁」 初の一般向け体験ツアー

一生懸命、網引きを手伝った子ども達

宇検村芦検 観光物産連盟と共催
島外観光客にPRへ

 宇検村芦検に伝わる伝統漁法「当間待ち網漁」(トウママチャン)の継承活動などを行う、「芦検当間待ち網漁組合」(川畑直俊組合長、会員18人)は1日、(一財)あまみ大島観光物産連盟と共催で、初の一般向け体験ツアーを開催した。同連盟は今後、観光資源としての価値向上に向け同組合との協議を進め、島外からの観光客にPRしていく方針だ。

 待ち網漁は回遊する魚の習性を生かし、網をL字型に設置。近くのやぐらから見下ろす見張り番が、魚が網に入ったタイミングで合図し、一気に網を引く漁法。同組合は村と共に観光資源化に向けて取り組んでいる。

 同連盟は観光資源としての価値向上のために、家族連れなどを募集し、一般向けのツアーを企画。モニタリングツアーに位置づけ、参加者には終了後アンケート調査を行う。今後は同組合と連携し、アイデアを模索するという。

 この日は奄美市名瀬などから、約15人の親子連れなどが参加。漁の歴史などの説明を受けた後、網の設置などを手伝い。魚が入るまで待つ間は、組合員が事前に用意した魚がふるまわれたり、やぐらに上って設置された網を観察するなどした。

 本来の漁は、網に魚が入るまで待つが、この日は天候の影響で開始から1時間半ほどで網引き。網に入ったミノカサゴやエイ、ハリセンボンなど普段見ることのない魚に興奮する姿も見られた。

 家族とともに参加した奄美市名瀬の伊津部小2年生・宮田卓くん(8)は「網引きを手伝えて良かった。おじさんたち(組合員)がシマ口で話している掛け合いも楽しかった」と笑顔を見せた。

 終了後、川畑組合長は「好評で良かった。島内外の人に知ってもらうことで、若者が参加してくれるようになれば」。同連盟の恒吉美智子さんは「魚を待つ時間に磯観察をするなどいろいろなやり方がある。前日から宿泊してもらうなど宇検村にお金が落ちる形を考えたい」とした。

 体験ツアーは日曜日のみの実施で、時間は4時間程度。一般2千円、中学生以下1千円、未就学児無料。最少催行人数は5人。申し込みは電話0997―67―2045(宇検村漁業組合)まで。