学校での受け入れ検討

休校となった奄美市の小学校。校門は閉じ、閑散としていた(4日午前11時ごろ)

低学年子どもたち対象 共働き世帯など配慮
児童クラブへの一部開放も
休校中対応で市教委

 新型コロナウイルスの感染症対策として4日から小中学校を臨時休校にした奄美市の小中学校では校門が閉じられ、閑散としていた。同市教育委員会は共働きや一人親世帯などの小学生で、放課後児童クラブに登録していない低学年の子どもたちを対象に、学校での受け入れなど柔軟な対応も検討することにした。また、休校期間中に児童を預かる児童クラブなどの学童保育施設では、児童が狭い室内に過密状態で置かれることで、学校よりも感染リスクが高まる恐れもあることから、クラブに対し学校施設の一部開放なども今後検討する。

 奄美市教育委員会によると、市内の児童生徒数は小学生約2500人、中学生約1200人の計約3700人。うち、共働きなどのため、児童クラブを利用している児童は約450人。これまでに保護者から、預け先などに関する相談はなく、3日現在、実際に休校中の学校での受け入れや市内の児童クラブでの新たな受け入れ予定もないという。

 市教委学校教育課の元野弘課長は「子どもの預け先がなく、自宅待機が困難な児童については柔軟に対応したい。困っている保護者は、学校や市教委などにまず相談してほしい」としている。

 市福祉政策課によると、市内の放課後児童クラブは9小学校(名瀬5校、住用1校、笠利2校)に11クラブ。多くのクラブが定員いっぱいの児童を受け入れており、同課は「新たな受け入れが可能な施設は限られている」という。これまでに保護者からの問い合わせは1件のみで、通っている校区内の児童クラブでの受け入れが困難だったことから、他校区の児童クラブを紹介した。

 市内の児童クラブの女性職員は「困っている保護者のためにも受け入れたいが、一度に多くの児童を受け入れるのは困難。まずは保護者で対応してもらい、どうしても預け先がない場合は市などに相談してほしい」と話した。 

 同課は「児童クラブについては、最終的に受け入れ可能か判断するのは施設側。市教委とも協議しながら児童の預入先などは検討したい」と説明した。

 児童クラブでは休校期間中、長期休暇同様に午前8時~午後6時まで児童を預かることにしている。長時間、大勢の児童が室内に滞在することで、感染リスクが高まる可能性もある。市教委は対策として学校施設の一部を児童クラブに開放することも検討、学校や児童クラブ側と利用方法などについて協議することにしている。