県議会一般質問

各保健所、一般相談も対応 検査依頼「全て対応できている」
高齢者施設対策面会や委託業者にも

 3月定例県議会は5日、引き続き一般質問(最終)があり、柴立鉄平議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、園田豊議員=自民党、南さつま市区=、山田国治議員=自民党、霧島市・姶良郡区=、鶴丸明人議員=自民党、霧島市・姶良郡区=が登壇。新型コロナウイルスによる肺炎の感染症対策で、各保健所の役割では感染の疑いのある人には帰国者・接触者外来への受診の調整を行う、帰国者・接触者相談センターを設置しているほか、一般相談にも対応しているとの説明があった。

 中山清美くらし保健福祉部長が答弁。さらに保健所の役割として帰国者・接触者外来は、保健所が中心となり医師会や医療機関と調整を行い、5日現在28の医療機関に開設。感染症の届出を受けた場合、感染症や感染経路、濃厚接触者に関する疫学調査・健康観察を行うなどの役割も担う。中山部長は「保健所と管内市町村や関係機関の連携に関しては、保健所によって方法は様々だが、情報提供や感染症危機管理対策協議会等の開催、消防関係者と救急搬送に関する協議等を随時行っている」と述べた。

 県環境保健センターでの検査については、診察を行った医療機関と保健所との協議を経て実施。一日当たり平均4件程度、多い日で13件となっており、中山部長は「センターに持ち込まれた検査依頼に対して全て対応できている」と説明した。国は保健所を経由するだけでなく民間の検査機関に直接依頼できる体制の整備を進めており、これについては現在詳細を確認中とした。

 学校における感染症対策は東條広光教育長が答弁。各学校では休校期間中における感染を防止するため、「児童生徒に対し、人の集まる場所等への外出を避け、基本的に自宅で過ごすとともに、自宅でも咳エチケットや手洗いなどを行うよう指導している」と述べた。

 高齢者施設における感染防止対策は、吉見昭文子育て・高齢者支援総括監が答弁。それによると、感染対策マニュアルを踏まえての県の通知のほか、国が感染拡大防止等の留意点を通知。示されたのは、▽職員や高齢者のみならず面会者や委託業者についてもマスクの着用を含む咳エチケットや手洗い、アルコール消毒を行うよう徹底▽職員が出勤前に体温を計測し、発熱等の症状が認められた場合は出勤しないことを徹底▽面会について緊急やむを得ない場合を除き制限することが望ましい▽委託業者等の物品の受け渡しは、玄関等の限られた場所で行うことが望ましい―という内容。これについて県では高齢者施設等に周知徹底を図っている。

 新型コロナ関係では県内企業への影響・支援に関する質問もあった。三反園訓知事は「企業、商工会議所、商工会に聞き取りをしている」と述べ、商工会議所・商工会には飲食店舗における予約キャンセルや資金繰りなど2月28日までに約40件の相談があり、県において3件の融資相談に対応していると報告。近く商工会議所・商工会と連絡会を開催し、聞き取りをさらに強めたいとした。また、県内16の金融機関に対し、売り上げが減少している中小企業等から資金繰りの相談があった場合には「緊急融資等に配慮するなど県内中小企業等の緊急経営支援を要請した」と述べた。