臨時休校措置 長期化に懸念の声

教職員がサポートに入り体育館で活動する「あおぞら児童クラブ」の子どもたち(11日、伊津部小学校)

 

 

「早く学校に行きたい」
児童クラブ 教職員のサポートも

 

 新型コロナウイルスの感染防止対策で奄美の小中学校は15日まで一斉臨時休校になっているが、10日に県教育委員会が県立学校の休校期間を25日まで延長したことから、保護者などに休校が長期化するのでないかという懸念が広がっている。また休校して1週間が経ち、休んでいる子どもたちから学校の再開を望む声なども聞かれた。

 国や県の要請を受け、奄美の12市町村の小中学校は2日から順次休校措置を開始。放課後児童クラブ(学童保育)で活動する以外の児童生徒は、基本的に自宅で過ごしている。

 同市名瀬の伊津部小学校内に開設されている「あおぞら児童クラブ」(南博伸代表)では11日、小学1~5年の児童36人が教室や体育館などで活動。同児童クの川内美和子主任支援員によると、学校側が施設開放に加え9日から教職員2~3人を同児童クに派遣して支援活動をサポートしているという。

 支援員たちは日々、児童が帰ってから遊んだ場所や使用したいすなどを消毒していて、消毒液やペーパータオル、マスクなどが不足気味で物資の安定供給を求めている。川内さんは、「16日以降に小中学校の休校が延びた場合の心づもりをしておく必要がある。学童保育の子どもたちに変化は見られない。延長した場合は教職員の支援もずっとあるわけではないので、スタッフの確保やケアが必要だろう」と話した。なお休校措置が始まり、「子どもを預かれないか」と学校側に相談して同児童クに受け入れが決まった児童が2人いたという。

 介護施設に勤める龍郷町の女性(47)は母子家庭で、小学生の娘を実家の親に預けたり自宅で留守番させていることから学校の早期再開を求めている。「職場でも預かってもらえるが、夜勤や早出の時は弁当を作るのが大変。娘が休み中に夜型の生活習慣になってしまい、休みが長引くと規則正しい生活リズムをすぐに取り戻せるかも心配」と困惑気味に話した。

 奄美市寡婦母子福祉会(大恵満智子会長)には、まだ休校措置に伴う相談などは寄せられていないという。大恵会長は「休校が延長になった場合、寡婦も困るだろう。困っている等相談あれば、何らかの対応を取りたい」と話した。

 長期化しそうな休校に市内の公園で遊んでいた男子中学生たちは、「自宅にずっといるのは、暇でしかたない。早く学校に行きたい。部活動もないし、学校に行けないので転校する同級生とお別れする時間もあまり取れない」などと不満気味にこぼしていた。