県コロナ対策会議

三反園知事を本部長に感染拡大の対応策などについて話し合われた医療調整対策会議

県立大島病院が指定医療機関
離島患者は自衛隊、海保のヘリで搬送

 【鹿児島】県の新型コロナウイルス感染症医療調整対策会議が31日、県庁であった。三反園訓知事を本部長に県の関係部局長、県医師会など医療関係者らが集まって、感染が拡大した場合の対応策などについて話し合った。奄美群島では県立大島病院が指定医療機関であることや、離島で患者が発生した場合は、自衛隊や海上保安庁のヘリで指定医療機関に搬送することなどが確認された。

 県の発表によると3月30日時点で県内の発症者は1人。2月12日に県内24カ所の保健所などに「帰国者・接触者相談センター」を開設した。電話での相談に応じ、指定医療機関につなぐための調整などを行っており、3月27日までに3341件の相談が寄せられたという。

 31日現在で県内34の医療機関に「帰国者・接触者外来」を設け、相談センターから紹介のあった対象者の診察に当たっている。30日までにPCR検査を265件実施し、陽性が1件だった。感染症発症者は県内に13ある指定医療機関(病床数45)で入院治療を行う体制となっている。

 今後感染が拡大した場合は、他の感染症指定医療機関、結核病床(8カ所、98床)で対応。更に多数の患者が発生した場合は、厚生労働省と協議の上、軽症者を一般病床で対応する。国の緊急事態宣言が出された場合は民間のホテルなどの宿泊施設も活用し、自宅待機の要請なども実施する。重症患者は鹿児島大学病院、鹿児島市立病院で対応する。

 現在、県内の指定医療機関で対応可能なベッド数は計143床。現在までに県内での発症者数は1人だが「今後爆発的な発症が起こる可能性もあり、週ごとに各医療機関での対応を具体的に考えていかなければならない」と県医師会の池田琢哉会長。

 県は今週中に県庁内に感染症医療の専門家などからなる調整本部を設置し、6日に会議を実施する予定。県内で対応可能なベッド数は最大で143床だが、肺炎などで稼働しているベッドもあり「実際に稼働できるのは70―75ぐらい」と三反園知事。重症患者を受け入れる鹿大病院や市立病院もECMOなどの設備や稼働する人員にも限りがあり「各病院で1、2人」だという。三反園知事は「今後も感染拡大を防ぐためにも、各機関で連携し、県民1人1人に協力を呼び掛けたい」と話した。