布マスクの材料需要高まる

左からマチ付きマスク、プリーツマスク、立体マスク


布マスクの材料となるダブルガーゼ生地


タオルガーゼを選ぶ買い物客

大切な人に島から贈る手作りマスク

新型コロナウイルス流行を受けて、奄美大島でも布マスクの需要が高まっている。手芸店や量販店の手芸コーナーでは、布マスクの材料が品薄となっている。各店ではマスクの型紙を配布したり、ハンカチなどの代用品でもマスクが作れることを発信するなどしている。利用客に共通しているニーズは「本土の家族に送るため」というものだ。

 奄美市名瀬末広町の手芸店「夢はうす」では、3月頃から布マスクの材料となるダブルガーゼ生地やゴム紐が品薄になり始めたという。仕入れも困難で、現在は代わりに帽子用ソフトゴムなどを販売している。同店によると、ダブルガーゼ生地がない場合はさらしを代用できるとのこと。

 利用客は常連だけでなく、手芸初心者も増え始めた。「本土にいる家族の手元にマスクがないため、作って送りたい」と買い求める人が多いという。同店では、布マスクのオーダーを受け付けているほか、立体的なマスクの型紙を配布している。

 龍郷町の量販店「ビッグⅡ」の手芸コーナーでもダブルガーゼ生地は売り切れ傾向にある。同店では、ダブルガーゼ生地の購入は1人40㌢までとし、多くの人に生地が行き渡るようにしている。40㌢の生地から、大人用4枚と子ども用1枚のマスクを作ることができるという。また代用品としてタオルガーゼを販売している。

 店頭には立体マスク、マチが付いて話しやすいマスク、プリーツマスクの3種類の布マスクの見本があり、このうちプリーツマスクはハンカチで作ったもの。約22㌢×18㌢のハンカチで作れるという。3種類のマスクは型紙と作り方が配布されている。

 奄美市笠利町の橋口フエ子さん(59)は、同店にタオルガーゼを買いに来た。「マスク探しに必死だった。名瀬のドラッグストアなども回ったが手に入らなかった。愛知に娘が2人いるので布マスクを作って送りたい。孫もいるので心配」と話した。