新型コロナウイルスの影響で航空各社の減便が決まり、閑散とする奄美空港(9日撮影)
格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションは8日、きょう10日から奄美大島離発着路線全便の運休を発表した。スカイマークも同日、11日から鹿児島―奄美大島2往復便中1往復便の減便を発表。両社による発表翌日となった9日、奄美市笠利町の奄美空港は閑散としていたが、搭乗便の振替手続きを行う利用客の姿も散見された。また、来島者の移動手段として人気の高いレンタカー店からも影響の大きさを不安視する声が聞かれた。
航空各社の減便に関する動きをみると、JALグループが先月6日以降国内線の一部路線で減便を実施。9日現在、奄美関係では鹿児島―奄美大島5往復便など、1日あたり計7往復便を減便している。
ピーチも先月6日から国内線の減便を行っていたが、8日に奄美大島離発着全便(2路線4便)の運休を発表。同社によると、感染拡大を受け奄美便の搭乗率は10~20%程度と低迷しており、10~30日までの影響旅客数も3971人にとどまるという。同社は運休期間を今月30日までとするが、「今後の感染状況を踏まえ、期間を延長する可能性もある」としている。
スカイマークは先月13日から国内線の一部を減便。11日からは鹿児島発奄美大島行き(午後5時15分発)と、奄美大島発鹿児島行き(午後6時55分発)の1往復便も対象に。期間は今月30日までの予定としている。
運休・減便の発表を受け9日、奄美空港では減便の影響を受けた人々の姿が。ピーチを利用し、大阪府から瀬戸内町に帰省していた50歳代会社員女性は、11日に帰阪予定だったが同日の航空便に振り替え。「きのう(8日)の夜にメールで知り、驚いた。緊急事態宣言が出されているので、帰って良いのかがわ
からないが、帰ることが出来てひとまず良かった」と話した。
また、スカイマーク便を利用し、愛知県から訪れた20歳代会社員男性は、復路で搭乗予定だった便が減便に。滞在日数を増やす予定といい、「2カ月以上前から予定していたので来たが、こんなことになるとは思わなかった。代理店を使っての予約なので、返金がない可能性もあり不安。帰るのに損をするかもしれないが、仕方ない」とこぼした。
減便の影響は旅行客のみにとどまらない。同空港近くで営業するレンタカー店では8日夜から9日にかけて、インターネットや電話で100件ほどのキャンセルが発生。同店では例年、4月中旬から夏にかけて利用客数が伸び始めるというが、今年は緊急事態宣言が発表直後からキャンセルが急増。現在は利用客が少ないことから、社員が交代で休日を取るほか、普段はできない場所の清掃や車のワックスがけ等も行っている。同店担当者は「ここまで消費が落ち込んだことはない。今後どうなるかがわからず不安。4月中に収まってもらわないと困る」と吐露した。
一方、奄美市名瀬のホテルからは「ピーチ運休を受けてのキャンセルはない」との声も。ただし同ホテルも影響がないわけではなく、「3月ごろから日々キャンセルの問い合わせは来ている。予約数は前年に比べ、7割以上落ち込んでいる」とした。