天城町産トルコギキョウ支援

新型コロナ禍の影響で需要・価格ともに伸び悩んでいる「トルコギキョウ」の地産地消もアピール(天城町役場)

「気持ちを花と一緒に…」
花いっぱいPJ 協力呼び掛け
新型コロナ禍

【徳之島】「身近な人に、日ごろ伝えられない気持ちを花と一緒に伝えてみませんか」―。天城町は、新型コロナウイルスの影響で需要が減った花きの消費拡大を図るため農林水産省が進めている「花いっぱいプロジェクト」に連動。出荷後半にかけて市場価格が例年の約50%と過去最低に下落するなど新型コロナ禍の波が及び始めた町内産「トルコギキョウ」を、各家庭や職場に飾る〝地産地消〟の花いっぱいプロジェクトに協力を呼び掛けている。

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う各種イベントなど自粛で花き類の需要が大幅に低迷。農水省は販売促進・生産者支援などの一環で、消費者の家庭をはじめ、国や地方自治体の各庁舎などにおいても花飾りや花贈り、公共スペースでの展示などで支援する同プロジェクトを推進している。

 天城町農政課園芸係(町農業センター内)によると、同町トルコギキョウ生産組合(益永裕太組合長・6戸)が計約40㌃で年間約4万2千本を栽培。バラに似た花形で花持ちが長く、冠婚葬祭から家庭での普段使いにいたるまで幅広いニーズに応える人気品種だ。1月下旬~5月中旬に収穫され、ほとんどが鹿児島市の花市場に切り花で出荷される。県フラワーコンテストでは金賞や特別賞も幾度となく射止めるなど品質の高い産地として定評がある。

 しかし、今月10日ごろ以降は、人気の高いトルコギキョウにも新型コロナ禍の影響が及び始め、切り花1本当たりの平均価格が過去最低のわずか約90円(前年同期180円~190円)に下落。冠婚葬祭の自粛や縮小による需要低迷のほか、新型コロナによる航空便の減便で、熊本・長崎両県など九州本土産が鹿児島市場に流れ込んでダブついていることも原因と同課。

 「花いっぱいプロジェクト」では広報と併せ、町役場玄関や窓口カウンターにはエレガントな切り花を花瓶で展示。また、森田弘光町長は20日の国体トライアスロン競技実行委総会に、胸ポケットに生花のコサージュを挿してあいさつを述べ、「母の日」に向けた地産地消を呼び掛けた。