コロナ禍・奄美のために出来ること=②=

北原照久さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組。円内は大島紬マスクをする保岡さん

1年半前からオンライン化で対応ウイルスとは共存する社会へ
奄美の人たちはバランスのいい観光活動を

 奄美への思いと、登場人物のプロフィールを紹介しながら次の人にバトンをつなぐ連載「奄美のためにできること。新型コロナウイルスと私は戦う!」の第2回。事業コンサルタントやイベントで活躍する、プロデューサー・保岡瑛子さんの後編。2000年に墓参りのため、初めて訪れた彼女は、以来30人を届ける事業家としても奮闘する傍ら、ラジオなどでも奄美を応援している。(東京支局・高田賢一)

 世界的おもちゃコレクター・北原照久さんとの出会い。
 「北原さんとは2008年3月に出会いました。その8年後彼をゲストに迎え、300人のイベントを開催、物販含めて彼の著書を1000冊以上売り、増刷に。その縁で、北原さんがパーソナリティーを務めるラジオ日本の『きのうの続きのつづき』にさきごろ8回出演させていただきました。またある時、奄美の藍染マスクを紹介したのですが、問い合わせが殺到して品切れ状態になったそうです。口コミだけでしたが、マスクのおかげで奄美への注目度も増したのは間違いないですね」

 そんなコロナ禍でどんな風に環境などは変わったのか。マスクをしての外出など今までにない生活環境となっているが、彼女のビジネス上での影響はほとんどないという。

 「beforeコロナとWithコロナで乗り越えられるのではと思うのです。私個人やクライアント、スタッフは既に1年半前からZOOMを導入するなどし、オンラインでつながっているのです。4月の奄美大島に30人での隠れ家ツアー『奄美大島リトリート』は秋に延期しました。その4月に呼ぶはずだったタナカアツシさん(大島エレジーでおなじみ)をゲストに、さきごろZOOMで『奄美大島三味線ナイト』を開催したのです。とても好評でしたよ」

 新型コロナウイルスをただ恐れてばかりでは、前に進むことはできない、そんなメッセージが伝わってくる。

 「人間はウイルスと共存して生きていく。ウイルスは決して敵ではないのです。今回のコロナ禍では、人間が自粛することによって、自然が戻っている。むしろ地球環境の面では、一番のウイルスは人間かもしれない、そう思うのです。ですからWithコロナとは、『自分をはぐくむ大切な時間』なのではないでしょうか」

 そのコロナ禍が終息したら、どんな対応を考えているのか。

 「秋に延期されるリトリートは、毎年実施します。Afterコロナですが、全く元通りの世界には戻れませんので個人個人がしっかり自己を管理し、責任を持つ時代へ変化していくと思いますね」

 ノロ(女性神職)を先祖に持ち、感も鋭いという保岡さん。自身のルーツを真剣に応援する一方で、島の人たちの〝欠点〟も見えている。

 「優しくて親切でとってもシャイな島んちゅですが、個人の意見がなくて人に乗ってしまう部分も感じられます。それは、真の『結』ではないように思えるのです。いずれ登録がされるであろう世界自然遺産ですが、多くの人が訪れれば経済は回っていく、でも人が訪れることによって自然は壊れていくことが予想されます。奄美大島の方々には、バランスを取りながら観光活動をしていただきたいですね」

 保岡さんからバトンを受けるのは「彼女の唄を聴き魂が震えた」(保岡さん)という、奄美を代表する唄者・朝崎郁恵さん。

 保岡瑛子(やすおか・えいこ)2月7日、東京都大田区田園調布生まれ。「QVCジャパン」「JCOM」などのテレビショッピングのキャスティング、イベント企画運営。企業コンサルタントなど幅広く活躍。東京・横浜を拠点とした日本法人は23期目を迎えた。