新型コロナ禍からの回復を

新型コロナ禍の収束を願い、島唄や島口漫談などネット動画配信で出身者にエールを送った=30日夜、ホテルグランドオーシャンリゾート(徳之島町)

徳之島 ネット動画配信で出身者にエール
視聴アクセス 最多ピークは約2300件

 【徳之島】新型コロナウイルスに関する政府の緊急事態宣言が解除された中、都会に暮らす奄美・徳之島出身者たちに活動再開への元気を送ろう―と30日夜、「〝とくのしまから よーにうがめら(こんばんは)〟プロジェクト~ネットがあればどこでも徳之島~」と銘打ったネット動画配信イベント(同実行委員会主催)があった。3町長ら当局や〝島ん人(ちゅ)エンターテナー〟など官民で3時間、懸命にエールを送った。視聴アクセスの最多ピークは約2300件に達した。

 出身者たちが全国で営む居酒屋やライブハウスなどが「3密」を避けてようやく営業活動を再開しつつある中で、出身者たちを励ますとともに、「徳之島にもう一度」とのリピーターや「一度は行ってみたい」と希望する人たちに生のメッセージを(同実行委)―と企画。「ホテルグランドオーシャンリゾート」(徳之島町亀津)が共催。中継用の臨時スタジオに同ホテル内レストラン・ブルーマリンを解放。午後6時30分から3時間のロングランであった。

 島唄ゲストにはベテラン唄者の中島清彦さん(天城町)から若手の指宿桃子さん(伊仙町)、高校生の永田心花さん(同)がそれぞれの持ち味で、「朝花」や「みち節(徳之島節)など〝島の心と思い〟を伝えた。島口漫談家の東三彦さん(徳之島町)は爆笑のない〝無観客独演〟に戸惑いつつも、「自宅待機ばかりしたら、総理大臣が牛の草刈ってくれるのか?」などコロナ情勢風刺も交えた島口ギャグを連発。シンガーソングライター安田竜馬さん(徳之島町)や、2012年「熱血!オヤジバンドバトル(NHK)グランプリの「まぶらい」も元気を発信した。

 合間には、大久保明伊仙町長、高岡秀規徳之島町長、森田弘光天城町長ら本人も登場してふるさと納税をアピール。大会中止に関する徳之島闘牛連合会代表、世界自然遺産に関するNPO法人徳之島虹の会代表らのメッセージもあった。

 企画・司会・演奏も担当した丸野清さん(徳之島町)によると、ライブハウスのスクリーンや、帰宅中のバス・電車の中でスマホ視聴しているなど多くのメールが。中には「島を離れて久々に島口を聞いて涙が出た、という70代の男性も」。宴会・挙式・宿泊のキャンセルが相次いだ同ホテルの稲島竜也支配人(54)らは「本音を言うと、島でも新型コロナの影響がここまで長引くとは思っていなかった。早く元に戻って欲しい」と話していた。