華やかな衣装で「フィンガー5」の楽曲を演奏する生徒ら
合唱曲「サザンカ」を披露する生徒ら
奄美市名瀬の大島高校で14日、吹奏楽部の引退コンサートが行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、30分間のみの公演。観客も保護者のみを招いての開催となった。14人の3年生らは涙と笑顔で3年間の部活動を締めくくった。
生徒らは今春から、新型コロナウイルスの影響で満足に練習時間が取れない中、第21回定期演奏会や県吹奏楽コンクールを目標に部活動に励んできた。しかしいずれも中止となり、悔しい思いをした。生徒らでミーティングを重ね、規模を縮小して引退コンサートを開催することに決定。3年生にとっては2020年最初で最後の公演となった。
コンサートは迫力ある「オリンピック東京大会ファンファーレ」で開幕。保護者にもおなじみの「宇宙戦艦ヤマト」やアイドルグループ「フィンガー5」の楽曲が演奏された。MCの軽妙なトークや華やかな衣装替えを交え、大高名物の「テキーラ」に合わせたコール・アンド・レスポンスを保護者らと交わす場面も。
後半では合唱曲「サザンカ」を歌い上げ、3年生らの表情には涙がにじんだ。演奏後は2年生から、サプライズで花束と受験用の鉢巻きが贈られた。
フルート担当の村田音和さん(3年生)の母で、3年間愛娘の活動を見守ってきた志麻さんは「コロナ流行で、人前で演奏できるということが当たり前ではなかったと実感した。子どもたちが一番悔しい思いをしたと思う。短い時間ながらも、こうやって演奏を聴くことができて本当に良かった。コロナ流行が落ち着いたら、またいつか演奏をしてほしいという思いはあるが・・・」と寂しさを残しながらも晴れやかな表情。
部長として、総勢42人の同部をリードした勝沙美玲(すみれ)さん(3年生)は「大高生、先生方、保護者などたくさんの人が吹奏楽部に関わり、盛り上げてくれた。感謝でいっぱい。これからの人生でも、吹奏楽部で学んだことを生かして頑張っていきたい」と3年間を振り返り、「今日が一番思い出に残った日」と達成感に満ち溢れた笑顔を見せた。