甘み、酸味のバランス良好

検討会では今期収穫したパッションフルーツの成分を確認(せとうち物産館内)

糖酸比は最高値
瀬戸内町 パッション検討会

 瀬戸内町内のパッションフルーツ生産者でつくる「瀬戸内パッションブランド産地協議会」(宮原仲清会長、26戸)は16日、同町古仁屋の「せとうち物産館」加工室で今期の品質を調べる検討会を開いた。20農家が持ち寄った産品から糖度平均17・3度、クエン酸平均1・70%を検出。甘味、酸味ともバランスが良く、「例年並みのおいしさが保たれている」などと結論付けた。

 同町農林課によると、今期の町内生産者数26人(前期28人)、施設面積2・5㌶(同2・6㌶)、生産量は約40㌧(同48㌧)を見込んでいる。品種は「ルビースター」で、収穫は7月下旬まで続く。

 検討会には、町や県大島支庁瀬戸内事務所の担当者、協議会メンバーが参加。室内に並べられたサンプルから果汁を取り出し、専用の分析器で成分を測定。参加者全員で味や香り、果肉の色、実の形状から今期産の仕上がりの順調さを確かめた。おしさを表す糖酸比10・2(高いほど良好)は、過去10年で最高値となった。

 宮原会長は「甘さは例年並み、ほどよい酸味から、例年にないバランスの良さが結果に表れていた」と喜び、出荷シーズンを前に「ブランド品として自信を持って出荷できる」と意気込む。

 たけはら農園の竹原美穂さん(41)は「収穫6年目の今回も出来は満足。着実にリピーターも増えており、引き続き品質の向上に励みたい」と話した。

 同町が1 0年以上前から栽培普及に取り組むパッションフルーツはハウスを活用して各集落(嘉鉄、阿木名など)で栽培され、生産量は年々増加傾向。2006年に宮内庁から皇室献上産地の名称が与えられ、贈答用で人気を呼ぶ。