奄美博物館 奄美大島のネズミ展

小さな「彼ら」のワンダーランドへ

 奄美市名瀬の奄美市立奄美博物館では企画展「奄美大島のネズミ展~知られざるネズミの世界~」を開催している。世界のネズミから奄美群島の固有種、ネズミが文化に与えた影響まで幅広く学ぶことができる。はく製や最先端の研究を記録した映像など、全国から集められた貴重な資料が展示されている。7月26日まで。

 同企画展は子年(ねどし)にちなんで開催。展示は4章に分けられ、ネズミについて幅広く学ぶことができる。

 第1章「世界・日本のネズミの仲間」では、ネズミという生き物の概要や、世界の珍しいネズミについて、全国の動物園から集められた写真で知ることができる。カピバラなど「これもネズミの仲間?」と驚く生き物も顔を揃えている。

 第2章「奄美大島のネズミワールド」では、奄美大島に生息するケナガネズミやアマミトゲネズミなど4種を詳しく紹介。あまり知られていない奄美のネズミたちの生態について学ぶことができる。見どころは環境省とJAZA(日本動物園水族館協会)が行った、アマミトゲネズミの生息域外保全に関する展示。初めて飼育下での繁殖に成功した貴重な映像が公開されており、可愛らしい赤ちゃんトゲネズミが元気に跳ね回る様子などを見ることができる。

 第3章「人々の暮らしとネズミ」では、ネズミが文化に与えた影響を知ることができる。ネズミにまつわる昔話などを展示パネルで知ることができる。

 江戸時代の奄美大島の民俗を描いた古文書『南島雑話』にもネズミは登場する。作者の名越左源太が描いたネズミのスケッチや、ネズミの方言名などが抜粋して展示されている。

 第4章の文献コーナーでは、ネズミに関するさまざまな文献を読むことができる。海外の図鑑や、子どもにもおなじみの『ねずみくんのチョッキ』『フレデリック』といった絵本が集められており、親子で楽しめる。

 同館職員の平城達哉さんは「島の人もあまり知らないネズミたちの生態を知ってほしい。ネズミだからと怖がらず、幅広い年代の人に来てほしい」と呼び掛ける。観覧料は大人310円、高校・大学生150円、小中学生100円、未就学児無料。期間中に、平城さんによるギャラリートークなども予定されている。問い合わせは奄美博物館0997-54-1210まで。